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Ballades: Luisada

Chopin (1810-1849)

User Review :4.5
(3)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
88697872132
Number of Discs
:
1
Label
:
RCA
Format
:
CD
Other
:
Import

Product Description

今のルイサダだからこそ表現できるバラードの深い陰影
ジャン=マルク・ルイサダ/ショパン:バラード(全曲)


【フランスのロマン派ピアニスト】
ジャン=マルク・ルイサダは、コルトー、フランソワ、ハイドシェックなどに脈々と流れ続ける、フランスのロマンティック・ピアニズムの伝統を継承する数少ない個性派ピアニストの一人。音楽から湧き上がるファンタジーをまるで即興であるかのように変幻自在に具現化していく様は、一度そのとりこになると、楽譜の表面を綺麗になぞっているだけのありきたりのピアニストでは全く物足りなくなってしまうほどの魅力を放っています。千変万化する絶美の音色、大胆なテンポ・ルバート、思いもがけない和声や声部の強調など、ルイサダの創意は尽きることがありません。パリ随一のコンサートホールであるシャンゼリゼ劇場を満杯に出来る数少ないピアニストとして、フランスでは絶大な人気を誇り、また日本でも1984年の初来日以来定期的に来演、数多くのファンを獲得しています。2006年から生誕200年の「ショパン・イヤー」2010年まで5年連続で毎年来日公演が行なわれており、2010年7月には、いよいよ満を持してショパンのバラードを取り上げ、今作はその機会をとらえて録音されたものです。

【ショパンといえばルイサダ】
1985年のショパン・コンクール入賞以来、ショパンの名と分かちがたくなったルイサダ。演奏会でのレパートリーにもショパン作品を数多く取り上げ続けているかたわら、録音面でも、ドイツ・グラモフォンへのデビュー盤となった「ワルツ全曲」(1990年録音)、「マズルカ全曲」(1990年&1991年録音)を皮切りに、1998年にはピアノ協奏曲第1番の室内楽版、翌1999年には、ショパンとサンドを巡る女優マーシャ・メリルとのコラボレーション「聖なる炎」から生み出された名曲集「革命のエチュード〜プレイズ・ショパン」などの名盤を残してきています(「ワルツ全曲」と「マズルカ全曲」は吉田秀和氏絶賛)。また2005年にNHKで放映された「スーパーピアノレッスン」ではショパンの作品を取り上げ、深い造詣ぶりを日本の音楽ファンに強く印象付けています。

【ルイサダ初のバラード全曲】
2010年のショパン生誕100年を見据え、50代をむかえたそのルイサダがひさびさにショパン作品に回帰し、2007年集中的に演奏と録音に取り組んでいる「ショパン・シリーズ」。その第3弾となる当アルバムは、ルイサダが全曲を取り上げるのは今回が初めてとなるバラード集。「バラードはいわばロード・ムービーのようなもの」と位置付けるルイサダですが、彼にとってはベートーヴェンの後期のソナタに匹敵する深い内容を持つ、まさに特別な存在。50歳を超えて円熟の極みにある今のルイサダだからこそ読み取れる、感情の起伏の激しさ、ノスタルジーや絶望感、それに苦い諦観さえにじませる演奏はまさに絶品の一言です。

【万全のスタッフによる録音】
「日本でこそ、最高のホールとピアノとを使って集中的な録音ができる」というルイサダ本人の強い希望で、岐阜のサラマンカホールで録音。プロデュースは長年ルイサダのレコーディングに携わってきた元BMGクラシックスのプロデューサーで、パーヴォ・ヤルヴィ、仲道郁代、ピンカス・ズッカーマンなどの録音を手がけているフィリップ・トラウゴット、バランス・エンジニアには、佐渡裕や鈴木秀美など、数多くの日本人アーティストの録音を手がける櫻井卓氏を起用。(ソニーミュージック)

【収録情報】
フレデリック・ショパン(1810-1849)
1.バラード第1番ト短調作品23
2.バラード第2番へ長調作品38
3.バラード第3番変ニ長調作品47
4.バラード第4番ヘ短調作品52
5.アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ変ホ長調作品22
6.夜想曲第2番変ホ長調作品9-2
7.夜想曲第13番ハ短調作品48-1

 ジャン=マルク・ルイサダ(ピアノ)(ピアノ)

 録音時期:2010年7月26日〜29日
 録音場所:岐阜サラマンカホール
 録音方式:デジタル

Track List   

  • 01. Ballade No.1. Op.23 In G Minor
  • 02. Ballade No.2. Op.38 In F Major
  • 03. Ballade No.3. Op.47 In A-flat Major
  • 04. Ballade No.4. Op.52 In F Minor
  • 05. Andante Spianato And Grande Polonaise. Op.22 In E-flat Major
  • 06. Nocturne. Op.48. No.1 In C Minor
  • 07. Nocturne. Op.9. No.2 In E-flat Major

Customer Reviews

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 自由にくずして弾きすぎると曲がダメにな...

投稿日:2018/05/04 (金)

 自由にくずして弾きすぎると曲がダメになるし、楽譜通りにやってもつまらないものになる。  ショパンのピアノ曲はこのバランスが難しいのかな、なんて思うことがある。 そこにきてルイサダのショパンはそのバランスのギリギリの線をいっている気がする。人によって彼のショパンはクセがありすぎると感じてしまうのではないだろうか。バラードのような語り物系こそルイサダの個性がうまく出せる(そして人によっては「語り過ぎ」と思われる)作品だと思う。私的には当盤は「面白い!」となる。これがバラードの代表盤とは言わないが、バラードらしい演奏としてお薦めしたい。

うーつん さん | 東京都 | 不明

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ルイサダはショパンとの深い魂の交流の末に...

投稿日:2011/06/20 (月)

ルイサダはショパンとの深い魂の交流の末に、これまでのショパン像にあえて挑戦している。ショパンの流儀を超えてかなり自由に行なわれる左手のルバートは、右手との調和をあえて無視してまで独自のカンタービレを追い求めたかのよう。独特のオブリガートも、新たな旋律に光をあてることで、ショパンの心の奥底をえぐり出そうとしている。先人の偉業を行儀よくおさらいするだけの演奏が多い中で、ルイサダはショパンの内側からショパンを崩し、アカデミックな牢獄からショパンを解き放とうとしている。

chopianism さん | 北海道 | 不明

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ショパンイヤーのトリを飾るのに相応しい超...

投稿日:2010/12/12 (日)

ショパンイヤーのトリを飾るのに相応しい超名演の登場だ。ルイサダの芸術家としての深みを存分に味わうことができるのが素晴らしい。バラードの思い入れたっぷりの弾き方のなんという素晴らしさ。これだけ崩して弾くと、演奏によっては、大仰さだけが目立って、楽曲の表層だけを取り繕った底の浅さを露呈する危険性もあるが、ルイサダの場合は、そのようなことは皆無。どこをとっても詩情豊かな抒情に満ち溢れており、そのフランス風のエスプリ香る瀟洒な味わいは、現今のピアニストにおいては、ルイサダだけが描出し得る至高・至純の表現と言えよう。緩急自在のテンポ設定や間の取り方は絶妙であり、それでいて音楽の流れをいささかも損なうことがないのは、ほとんど驚異ですらある。大ポロネーズは、一転して堂々たる巨匠のピアニズムであり、その力強い打鍵と卓越した技量は、ルイサダの表現力の幅の広さを感じさせるのに十分である。夜想曲の2曲は、バラードと同様の表現であるが、感傷に陥ることはなく、高踏的な美しさを保っているのはさすがである。録音も素晴らしい。マルチチャンネル付きのSACDは、ルイサダの至高のピアノを鮮明、かつ臨場感溢れる音質で再現しており、本盤の価値を高めるのに大きく貢献している。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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