Books

傾城の恋 / 封鎖 光文社古典新訳文庫

Chang Eileen

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334753771
ISBN 10 : 4334753779
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

離婚後、没落した実家に戻っていた白流蘇。異母妹の見合いに同行したところ英国育ちの青年実業家に見初められてしまう「傾城の恋」。封鎖中の路面電車のなかでの男女の行きずりの恋を描いた「封鎖」。占領下の香港と上海が舞台の恋物語と自伝的エッセー「戦場の香港」ほかを収録。

【著者紹介】
チャン・アイリン(張愛玲) : 1920‐95。中国の作家。上海で、祖父は政府高官で祖母は李鴻章の長女という大家族のもとで生まれ育つ。アメリカのミッション系小学校に編入し、張〓(えい)から張愛玲に改名。ロンドン大学への留学を希望するも父の猛烈な反対にあい、日本軍の上海侵攻も重なり断念。1939年に香港大学入学。実家の経済状況が悪化したため退学。文筆活動を始め、エッセー、短編小説が評判となる。’44年発表の小説『伝奇』が発売4日後で売りきれるという大ベストセラーになり、作家としての名声を不動のものとした

藤井省三 : 1952年生まれ。現代中国文学者。1991年魯迅研究により文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • syota

    「魯迅と並ぶ現代中国文学の源流」という紹介文に誘われて読んでみた。同じ二十世紀前半の中国を描いても、封建的しがらみに縛られ無知と無気力が支配する農村を描いた魯迅とは正反対。当時最先端の都市だった上海と香港を舞台に、没落した名家のバツイチ娘の恋愛と打算を描く『傾城の恋』が読み応えあり。女性が自分の判断と行動で自らの運命を切り開く点が当時の中国としては画期的で、大ブレイクした所以なのだろう。ただ、良い作品ではあるが魯迅ほどの深みは感じない。訳文が女性作家の恋愛小説にしてはあまりにごつごつしているのも惜しい。

  • tsu55

    『傾城の恋』 没落した旧家の娘で出戻りの白流蘇と英国育ちの青年実業家范柳原の恋物語。旧弊な家族制度から逃れたい流蘇と都合のいい愛人を作りたい柳原。丁々発止のやり取りがなかなかお洒落。そして二人の恋を成就させるきっかけが日本軍の侵攻という皮肉。 『封鎖』 日本軍による「封鎖」によって日常を断ち切られた中で、偶々出会った男女。やはりスタイリッシュな会話が魅力。

  • Shun

    張愛玲は現代中国文学で、かの魯迅の後継的立場の作家として並び称されているそうです。表題作に加え自伝的エッセイ「戦場の香港」や「囁き」等も収録され、時代背景の理解に役立ちました。「傾城の恋」はまさに戦争が勃発するかという中国での男女の恋を描き、没落した実家に出戻りしてきた女性とイギリスから帰国した華僑の青年実業家との恋愛は儘ならぬ展開。この二人の生い立ちから異なるアイデンティティーが読み取れ、これに構成の妙が奏功した小説と感想を残します。また華麗な文体が売りにしては新訳がやや現代日本的すぎとも感じました。

  • 彩菜

    新・旧文明の相克から張愛玲を見るのも面白いけれど、私は「誰もが皆孤独なのだ」と言う彼女に魅かれてしまう。香港を舞台に、二人の男女が恋の駆け引きを繰り返す「傾城の恋」もそう。華やかな恋模様を描きながら彼女は、世界の中の二人の、人の、小ささ、体面と利害ばかりの身勝手、卑小さ、それ故抱える空虚と孤独の大きさを知っている。だからだろうか。生死の境、二人に訪れる一瞬だけの互いへの完璧な理解、その一瞬がとても美しく見える。二人は再び空虚と孤独に戻るかもしれないけれど、その一瞬があれば共に生きて行けるんだろう。

  • hiroizm

    張愛玲「傾城の恋/封鎖」は、没落名門バツイチ女性と華僑青年との優雅で哀愁漂う恋物語の表題作の他、キラリと光るの優れもの短編集。 「傾城の恋」は世界大戦突入期の上海と香港が舞台なんだが、物語のポイントに日本との戦争が大きく関わっているのに、日本が全く書かれてないのにびっくり。日本占領期に出版されたためらしいけど、物語として美しく決まってるのがさらに驚きだった。 自伝的小説の「囁き」も胸に沁みた。没落した清王朝の高級官僚という名家、荒んだ父のやるせなさや、そこから抜け出そうとする著者の努力に心打たれた。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items