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松本清張

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784106206535
ISBN 10 : 4106206536
Format
Books
Publisher
Release Date
November/1994
Japan

Customer Reviews

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作家の生涯を、豊富な写真と詳しい記述でつ...

投稿日:2021/04/10 (土)

作家の生涯を、豊富な写真と詳しい記述でつづる名シリーズの、松本清張の巻です。 松本清張は、自分自身の人生をそのまま文章としてつづることは少ない作家でした。 私小説がかなり大きな位置を占める明治以降の日本の文壇では、かなり珍しいタイプだと言えるかもしれません。 「自分語り」はほとんどしなかったと言ってもいい人だと思います。 そんな松本清張の、作家になるまでの半生は明るいとは言い難いものでした。 とにかく貧しい生活。 尋常小学校を出るとすぐ、ある会社で給仕として働き始めますが、やがて倒産・失業の憂き目に遭います。 その後アルバイトとして入った朝日新聞社で何年もかけて社員になりますが、小学校卒の清張はあからさまな学歴差別に遭います。 両親を含めた一家を背負って働き続け、『西郷札』で賞をとってデビューしたのは何と四十一歳の時です! 思わず「!」を使ってしまいましたが、それくらい驚くべきことなのです。 当時の四十一歳と言えば、今の感覚で言えば、プラス十五歳くらいはある年齢ではないでしょうか? 今でこそ四十代は「まだまだこれから」なのかもしれませんが、当時は四十一歳なんて、既に人生の折り返し地点をとうに過ぎたくらいの感覚だったと思います。 その後の清張の活躍ぶりは言うまでもないところで、彼が辛抱強さと努力でもって切り開いた作家としてのキャリアには改めて敬服させられます。 清張と言えば、分厚く突き出た唇がトレードマークの風貌ですが、実に味わい深く良い顔で、個人的に大好きです。 内面が顔ににじみ出るとは正にこのことかと思います。 彼のいろいろな写真を見られる本書は手元に置いておいて嬉しく、買って良かったです。 ずいぶん前に出た本なのですがいまだに手に入るのも本当に嬉しい限りで、清張の小説を楽しんだ人には是非手に取ってほしい一冊です。

苺 さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ユウユウ

    『点と線』で再び松本清張にはまり、書棚に眠っていたものを引っ張り出してみる。処女作「西郷札」の応募エピソード(締切に間に合わなかったので、原稿を入れた風呂敷って包みを盗まれたと言い訳をした)で、余計に好きになった。色々読んでみようかな。司馬遼太郎、山崎豊子との対談の写真やエラリー・クイーンとの親交など興味深い点も多かった。

  • Ted

    '94年11月刊。○家庭が貧しかったためであろうが、幼少時から少年期にかけての写真が殆どないのが寂しい。(出生時と小僧時代の後はいきなり結婚時の写真に飛ぶ)朝日新聞に勤めるも、図案係という下っ端職で、差別待遇に耐える毎日だった。憂さ晴しに史跡巡りをするうちに古代史に対する興味が深くなったが、ある日、一橋出の記者に「そんなことしていて何になるのか」と揶揄されショックを受ける。しかしこの時に培った歴史への関心が、後に古代史関連の小説群となって結実する。何を残したのかも分らぬこのエリート社員の完全な負けである。

  • ユウユウ

    30回目の清張忌によせて再読。 順風満帆の人生ではないこと、それが故の謙虚さ、そしてあくなき創作意欲と好奇心に、ただ感服する。 何度も読みながら、いつか松本清張の作品、ほぼ読んだよなんて言いたい。

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