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Piano Concerto.3, 4, 5: Arrau(P), Klemperer / Po +piano Sonata.24, 31

Beethoven (1770-1827)

User Review :5.0
(5)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
SBT21351
Number of Discs
:
2
Format
:
CD

Product Description

歴史的ベートーヴェン・チクルスからの貴重な記録!
クレンペラー&アラウ、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲集
1957年、ロイヤル・フェスティヴァル・ホールにおいてクレンペラー&フィルハーモニア管弦楽団がおこなったベートーヴェン・チクルスは空前の成功を収め、11月15日の交響曲第9番のCDや、数多く残る新聞評、エピソードなどからもその様子を伺い知ることができます。

 『英雄』終演後、カラヤンが楽屋までやってきて「私はただあなたに感謝します。そして自分にもこのような葬送行進曲が振れるときが訪れることを願っています」と語ったとか、「第九」の後、ジョージ・セルが、「残念ながら・・・あまりに素晴らし過ぎる!」と評したとか、11月の寒さにもかかわらず数百人のファンがクレンペラーに一言お礼を言うためだけに、ホールの外で1時間半以上も待っていたとか・・・。
 この年の10月11日から11月15日にわたる一ヶ月間、ロンドンが(もしかすると世界中が!)クレンペラーのベートーヴェンに熱狂していた様を思い描くことができます。

 クレンペラーとアラウの関係は、戦前、1930年代にベルリンでおこなったシューマンのピアノ協奏曲での共演にまでさかのぼります。そのときは若手のアラウに対してクレンペラーが徹底的に自分の解釈を押し付けたため、アラウは不快な思いをしたと述懐していますが、戦後、1954年10月にケルンでショパンの第1番で共演した際には、関係は非常に良好で、その成果はユニークかつ素晴らしい演奏として結実していました。(廃盤)
 この演奏はそれから3年を経ておこなわれたものですが、ロマンティックなアラウに対して、即物的な傾向の強いクレンペラーの芸風の齟齬は相変わらずだったようで、たとえば前述したエピソードの記載されているJ.ホロヴィッツ著の「アラウとの対話」の中にはこんなくだりもあります。『皇帝』第2楽章の25小節目でした。「そこで君はなにをしているのかね?」と尋ねたクレンペラー、こうあるべきだと思う方法でトリルを演奏していたアラウ。「彼のような偉大なアーティストが、すべてのトリルは速いべきと考えているなんて、驚きだ!」
 しかしながら、ヘイワースの'Otto Klemperer:his life and times'第2巻において、アラウはこのときの演奏をこう回想しています。「あの、真に格別のオープニングの和音!生涯で経験したなかで最高の伴奏だった」と。個性と個性がぶつかりあう中にも、確固たる信頼関係があったことが十二分に想像できます。そしてそのなによりの証拠として、この録音は存在しています。フェスティヴァルの熱狂ぶりを、ふたりの音楽家の深遠な駆け引きを、存分にご堪能いただけるアルバムの登場と言えるでしょう。
 なお、音質はモノラルながら良好な水準にあり、優れた演奏を十分に味わえるクオリティとなっています。マスタリングはいつものようにポール・ベイリーが担当。


ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
■ピアノ協奏曲第3番ハ長調 op.37
 1957年10月24日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
■ピアノ協奏曲第4番ト長調 op.58
 1957年11月3日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
■ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 op.73「皇帝」
 1957年11月8日、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
■ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調 op.78
 1958年6月8日、アビー・ロード・スタジオ
■ピアノ・ソナタ第31番変イ長調 op.110
 1957年5月18日、アビー・ロード・スタジオ


→クレンペラーを検索(年間売上順発売順作曲家順)
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Track List   

Disc   1

  • 01. Concerto for Piano no 3 in C minor, Op. 37
  • 02. Concerto for Piano no 3 in C minor, Op. 37
  • 03. Concerto for Piano no 3 in C minor, Op. 37
  • 04. Concerto for Piano no 4 in G major, Op. 58
  • 05. Concerto for Piano no 4 in G major, Op. 58
  • 06. Concerto for Piano no 4 in G major, Op. 58

Disc   2

  • 01. Concerto for Piano no 5 in E flat major, Op. 73 "Emperor"
  • 02. Concerto for Piano no 5 in E flat major, Op. 73 "Emperor"
  • 03. Concerto for Piano no 5 in E flat major, Op. 73 "Emperor"
  • 04. Sonata for Piano no 24 in F sharp major, Op. 78
  • 05. Sonata for Piano no 24 in F sharp major, Op. 78
  • 06. Sonata for Piano no 31 in A flat major, Op. 110
  • 07. Sonata for Piano no 31 in A flat major, Op. 110
  • 08. Sonata for Piano no 31 in A flat major, Op. 110
  • 09. Sonata for Piano no 31 in A flat major, Op. 110

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Comprehensive Evaluation

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 どういういきさつで協演することになった...

投稿日:2012/11/17 (土)

 どういういきさつで協演することになったのだろうと疑問を持つくらい個性が離れている二人と思っていたが,演奏を聴くとそんなでもなかった。クレンペラーの厳格なテンポの進行は,アラウの演奏をむしろ自由なものにしているのではとさえ感じる。特に3番,4番はアラウのロマン性が十分に現れた演奏になっている。5番については,私の感覚では二人の曲想がずれたりする部分が多いように感じた。

lightnin さん | 青森県 | 不明

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Bethoven晩年の31番の心の澄み切ったこの演...

投稿日:2011/01/14 (金)

Bethoven晩年の31番の心の澄み切ったこの演奏は、驚くほど出来がよい。ビアノ録音が技術的に手強いのは解るが、この頃のレッグのプロデュースの慧眼には全く感服する。ドイツ流のアプローチとやや距離を感じるが、アラウのBethovenは本国ドイツで極めて高く評価された。この曲を作曲した作者の年齢と奏者の年齢が同じ頃で、技術的にも解釈的にも均衡がとれ、響きは美しく透明。もう耳の全く聞こえなかったBethovenの、若い頃から人生を生きる心の糧であった、ピアノにかける深い想いと、それでもなお、ピアノ演奏の極限を超えるような作品に立ち向かう、純粋思弁の世界で永遠に鳴り響く、壮大な哲学が伝わってくる。

黒熊怪 さん | 兵庫県 | 不明

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Bethoven晩年の31番の心の澄み切ったこの演...

投稿日:2008/12/20 (土)

Bethoven晩年の31番の心の澄み切ったこの演奏は、驚くほど出来がよい。ビアノ録音が手強いのは解るが、この頃のレッグのプロデュースの慧眼には全く感服する。ドイツ流のアプローチとやや距離を感じるが、アラウのBethovenは本国ドイツで極めて高く評価された。この曲を作曲した作者の年齢と、奏者の年齢が同じ頃で技術的にも解釈的にも均衡がとれ、響きは美しく透明。もう耳の聞こえなかったBethovenの、若い頃から人生を生きる心の糧であった、ピアノにかける深い想いと、それでもなお、ピアノ演奏の極限を超えるような作品に立ち向かう、壮大な哲学が伝わってくる。

黒熊怪 さん | 神戸 | 不明

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Beethoven (1770-1827) Items Information

  • Furtwangler / Bayreuth 1951 German Edition. In 1951 Wilhelm Furtwangler twice demonstr... HMV&BOOKS online|Friday, January 1, 2008 21:20
    Furtwangler / Bayreuth 1951

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