ルイ14世の歓待にも使われた豪奢な空間が、バロック歌劇の「声」の劇場に
雰囲気満点の映像付き!
バロック音楽の華やぎは、古楽器演奏など当時の様式をふまえた解釈に盛り込まれる細やかな装飾音の味わいもさることながら、やはり「場」の空気あればこそ、と再認識させてくれる映像つきCDが、当時の重要な世界遺産であるヴェルサイユ宮殿「鏡の間」から届けられました。
ルネサンスの多声芸術から一転、歌手1人の声の魅力を独唱で存分に味わえるようにした様式の誕生は、以後400年以上続くことになるオペラという芸術形態の軸を形作るものとなりましたが、本盤ではそうしたバロック期のイタリア・オペラからの抜粋を中心に、歌声の魅力を最大限に輝かせることをよく知っている上り調子の歌手3人が、その味わいを余すところなく堪能させてくれます。
いずれ劣らぬ新世代カウンターテナー歌手たちによる21世紀版の「三大カウンターテナーの饗宴」。今世紀にはカウンターテナー芸術はさらなる進化を遂げ、イタリア出身のフィリッポ・ミネッチアが味わい深いアルトの音域で魅力的な歌を響かせたかと思えば、サバドゥスとマリーニョは男声でありながらソプラノ音域に達するカストラートさながらの名歌唱をごく自然に披露。付属のDVDでは「鏡の間」ならではの絢爛な内装をバックに、バロック歌唱の豪奢さがひときわ引き立って感じられること必至です。厳選されたバロック後期の名作からなるプログラムは、ヘンデルだけがバロック・オペラの巨匠ではなかったことにも随所で気付かされる逸品揃い。発見多き耳と目の快楽を存分にお楽しみ下さい。(輸入元情報)
【収録情報】
1. ポルポラ:三重唱『わが軽蔑を恐れるがいい』〜歌劇『ジェルマニアのジェルマニコ』(1732)第2幕第12場
2. グラウン:アリア『恐ろしい嵐の只中で』〜歌劇『チェーザレとクレオパトラ』(1742)第1幕第8場
3. ハッセ:アリア『賢い者の手は』〜歌劇『寛大なスパルタの女』(1743)第1幕第2場
4. ヴィンチ:アリア『わたしは容赦なく荒れる海をゆく』〜歌劇『アルタセルセ』(1730)第1幕第15場
5. ヘンデル:シバの女王の入場〜オラトリオ『ソロモン』(1749)第3幕第1場
6. ヘンデル:アリア『棘に触れないよう』〜オラトリオ『時と真実の勝利』(1708)
7. ヘンデル:二重唱『わたしの愛があなたの喜びであったなら』〜歌劇『エジプトの女王ベレニーチェ』(1730)第1幕第11場
8. ヘンデル:アリア『野蛮なる憤怒の鬼たちよ』〜歌劇『セルセ』(1737)第3幕第14場
9. アリオスティ:歌劇『ヴェスパシアーノ』(1724)序曲
10. ポルポラ:アリア『気高き大神よ、あなたの恵みと徳をもって』〜歌劇『ポリフェーモ』(1732)第3幕第5場
11. ポルポラ:三重唱『不滅の喜びが』〜歌劇『ポリフェーモ』(1732)第3幕フィナーレ
12. パーセル:二重唱『喇叭を轟かせよ』〜聖女セシリアに捧ぐオード『来たれ、芸術の子ら』(1694)
13. モンテヴェルディ:三重唱『ただあなたを見つめて』〜歌劇『ポッペアの戴冠』(1642)第3幕第8場
サムエル・マリーニョ(カウンターテナー:1,2,4,7,11,13)
フィリッポ・ミネッチア(カウンターテナー:1,3,7,10,11,12,13)
ヴァレア・サバドゥス(カウンターテナー:1,6,8,11,12,13)
ヴェルサイユ王室歌劇場管弦楽団(古楽器使用)
ステファン・プレフニャク(ヴァイオリン、指揮)
録音時期:2021年1月27-31日
録音場所:フランス、ヴェルサイユ宮殿
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
収録時間:72分15秒
【DVD】
収録時期:2021年1月31日
収録場所:フランス、ヴェルサイユ宮殿「鏡の間」
収録時間:75分
音声:Dolby Digital 2.0
字幕:仏・英
NTSC
Region All