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リンドグレーンの戦争日記 1939-1945

Astrid Lindgren

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000255745
ISBN 10 : 4000255746
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

作家デビュー以前のリンドグレーンが書いた六年に及ぶ「戦争日記」。日記帳には、新聞や雑誌の切り抜きが貼りつけられ、戦争中立国スウェーデンに暮らす三〇代の二児の母親が見つけ続けたリアルタイムの第二次世界大戦と、家族の日常が綴られている―何が起きているのかを知り、考えるために。そして誕生したのが、『長くつ下のピッピ』だった。リンドグレーンの原点であり、歴史ドキュメントとしても貴重な日記の全文を初公開。

目次 : 一九三九年/ 一九四〇年/ 一九四一年/ 一九四二年/ 一九四三年/ 一九四四年/ 一九四五年

【著者紹介】
アストリッド・リンドグレーン : 1907‐2002。スウェーデンのスモーランド地方生まれ。『長くつ下のピッピ』で子どもたちの圧倒的な人気を得る。他にも世界中の子どもたちに愛される多くの作品がある。1958年に国際アンデルセン賞を受賞。作家活動をしながら、長らく児童書の編集者としても活躍した

石井登志子 : 同志社大学卒業。リンドグレーン作品を数多く手がける。他にも訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    再読。余りにも身近な庶民からの戦争日記@。当初、独裁と評されたチャーチルの国内での対応、スウェーデンへ突き付けるナチス・ドイツの余りにも不合理な条約、デンマークを見捨てたスウェーデンへ向けられた不信と怒り。これらは今と照らし合わせても重なる部分が多い。だからこそ、人類は第二次世界大戦の教訓を踏まえずに何も変わっていない所に情けなさと哀しさで後悔で涙をこらえなければならなかった。一方でリンドグレーンの家族愛(息子の成績不振への嘆き、自動車組合長になった夫の記事をスクラップした頁での誇らしげな文章)が清々しい

  • キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

    「長くつ下のピッピ」の作者が、スウェーデンで第二次世界大戦中に書いた日記。リンドグレーンは政府の手紙の検閲の仕事をしていたので、世界で何が起こっているのか知っていた。中立国であるスウェーデンで、ドイツやソ連の圧力に脅えながら、ポーランドやフィンランドで行われている残虐行為に胸を痛めて、何もできない自分を恥じる作者。この異常な戦争が何年にも及び、だんだん辛いことは目を背けるようになる。そして敵味方誰であろうと、悲惨な死に方をしませんように、と毎日祈る。恥じながらもスウェーデンの豊かな生活に埋没していく。

  • ののまる

    WW2で中立国だったスウェーデンは、多少配給制になったにせよ、とても豊かな暮らしをしていることがわかる。それでも、リンドグレーンは仕事柄(手紙検閲)、世界の情勢を日記に記録し、心を痛め、ピッピの物語を紡いでいく。平和への願い、暴力や戦争、愚かな大人の決断に対する子ども達からの決然とした闘いを産まれていった思想が、この日記から立ち上ってくる。 しかし、ケストナーの日記を平行して読んでいるが、なんと生きている場所が違うだけで、こんなに違うことか。

  • wiki

    当時の様子が鮮烈に伝わる。「戦争、戦争、戦争、そして人類の苦しみ。そして人間は決して何かを学ぼうとせずに、ただ地面に血と汗と涙を注ぎ続けているだけだ。」「どれほど、この狂った地球上の哀れな母親が苦しむことになるのだろう。」世情を鋭く洞察する人として、そしてただ市井の母親としての日記。もとより他人に読まれる事を意図していないから、赤裸々だ。食料に関する記載も多い。ガスが通り、お湯が使えるようになった時のユーモアある新聞画。これを切り抜いた事が、彼女の子どもに対する強い母性を表しているような気がした。

  • Hisatomi Maria Gratia Yuki

    『長くつ下のピッピ』や『ロッタちゃん』『やかまし村』シリーズで知られる児童文学作家が、まだ何者でもなかった頃、世界は第二次大戦中。中立国スウェーデンから見た戦況は、彼女の戦時中の仕事もあって正確だ。北欧から見た当時の日本の姿も。そしてなにより、作家は作家になる前から自分自身しか読まない日記でも作家なのだなと感嘆する。あとがきまで読むと、この戦争経験がピッピを生み出したとも言えるのではないかと思える。

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