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時の家

鳥山まこと

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065412275
ISBN 10 : 4065412277
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ここで暮らしていた人々の存在の証を、ただ、描きとめておきたい。
三田文學新人賞でデビューした注目の小説家が紡ぐ、あたらしい建築文学。

いしいしんじ氏、推薦!
「大切に建てられた一軒の家に、ひとの気配がやどる。
流れる時のすきまから、あまたの声がもれだしてくる。
いつかまた、この本のなかに帰ってこようと思った。」

青年は描く。その家の床を、柱を、天井を、タイルを、壁を、そこに刻まれた記憶を。
目を凝らせば無数の細部が浮かび、手をかざせば塗り重ねられた厚みが胸を突く。
幾層にも重なる存在の名残を愛おしむように編み上げた、新鋭による飛躍作。

【著者紹介】
鳥山まこと : 1992年兵庫県宝塚市生まれ。2023年「あるもの」で第29回三田文學新人賞を受賞。建築士でありながら、作家として執筆活動をしている。本書がはじめての単行本(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 沙羅双樹

    一気読みさせてくれないというのは純文学小説において賛辞だということを改めて感じさせてくれた著者に拍手を送りたい。そして構造を緻密に造り上げてゆく点において、建築と小説執筆は限りなく近いのかもしれない。こういう小説が読みたかった、というのが一番の感想。

  • cuchico

    次回芥川賞か。"エモい、神、沼る"といったスラング表現とは完全対義にいる。肌が粟立ち、感嘆のため息をつくという身体的反応が出る静謐な時間をありがとう。読メユーザーなら読んで損なし、というか読まなきゃ損。

  • 夏みかん

    ある家とその家に関わった人々の記憶が語られているのだけれど、自分が今まで住んできた家や訪れた家をあれこれ思い出してしまった。あれこれ切ない箇所もあったりして、心に静かに染み渡っていくような小説だった。

  • no6

    とてもよかった。長らく売りに出されてる空家に忍び込んでスケッチする、そこに縁のある青年。これはどういう小説なのだろうと会話のほとんどない文章を読み進めると、ああこれは「目」なのだと思う。青年は柱に巻かれた藤をひと巻きずつ目で追っていく。漆喰のわずかな窪みも見逃さない。読んでいると家の様子が目に浮かんでくるけれども、それは自然にではなくて、青年と一緒に目を凝らしながら読んでいる。そして転居と言うと人を主体に考えがちだけど、家の方にも歴代の住民の痕跡が残っているのだ。装幀=水戸部功

  • 蓮水

    とても丁寧な小説だった。家の描写は凄まじく、木やガラスなどの素材まで愛していることが伝わる文章だった。「家」に視点を置いたことはとても面白かった。少し『背高泡立草』を思い出した。あれは納屋だったか。終わり方には何か予想外なことが起きるわけでもなく、静かに潔く終わっていった。読書初心者には少し用語が難しいかもしれないが、それなりに本を読むという人には良さが伝わるんじゃないかな、良い小説だった。

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