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ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ 中公文庫

金井美恵子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122074927
ISBN 10 : 4122074924
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2024
Japan

Content Description

出奔した父、母と移り住んだ街、祖母や伯母たちが営む洋裁店で縫いあげられるドレス‥‥。幼年時代の切れ切れの記憶の合間にあらたに浮かび上がる別の記憶が重なり合い、コラージュされて織りなされる繊細で甘美な物語。巻末にロングインタビュー、金井久美子のエッセイを付す。

【著者紹介】
金井美恵子 : 1947年、群馬県高崎市生まれ。67年、「愛の生活」でデビュー、現代詩手帖賞受賞。79年、『プラトン的恋愛』で泉鏡花文学賞、88年、『タマや』で女流文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • rinakko

    再読。素晴らしかった。遠い日々の記憶が弛んで寄り集まり、褪色したモザイク模様になる。過去に凝る茫洋とした時間の淵から掬い上げられる、鮮やかなイメージと繰り返すその語り直しに、ふと眩暈する読み心地だった。とりわけ、何度も出てくる “まゆみの生垣” をめぐらし曲がりくねった狭い道の描写は、時間を行き来してとめどない語り口そのものとも重なる。“それとも、いつかこの今の瞬間、今こうして見ている月と、この道と、風と、こうして今わたしの感じているすべての感覚を思い出すことがあるだろうか。”

  • justdon'taskmewhatitwas

    近頃ストーリーと区別してナラティヴとよく言われてるが、これは極北のそれかもしれない。また、久しく絶版状態だった著作の文庫化が、昨年辺りから急に続いた理由は、'23に英訳された著書『軽いめまい』が海外で話題になり'24のノーベル文学賞候補として名前が挙がった、ためらしい(のをさっき知った)。外発(外圧?)契機ならこれもある意味"ジャニーズ案件"なんじゃない?

  • chacha子

    長いセンテンスが印象的だった。私小説なのかなと思ったけれどそうではなく、描写の綿密さに舌を巻いた。

  • フッセル

    2024年5月の読書会課題。初めて金井美恵子さんの作品に触れる。縫い上げられるドレス、パッチワーク、繋がり連関していく記憶。形容に形容を重ねて、細かく細やかに細部を描写していく、世界をすべて忘れえぬものにするために。入り込めなかった世界に、いつしか心地よいお湯のような温かさを覚える、揺蕩う時間、読んでいるのか眠っているのか現実との境界線が曖昧になっていく。知識や教養というものは知らなければ記号にしか過ぎないということも教えてくれた。すべてを知っておくことはできない。ただお湯に浸かっていてもいいと思った。

  • モジモジアニキ🏳️‍🌈🏳️‍⚧️🍉

    好きな映画のシーンをゆっくりコマ送りし続ける幻覚に囚われる。ヒッチコック「めまい」にて主題のテーマはミステリーなのだけれどかつての思い人そっくりの装いを披露するキムノヴァクを見つめるときのあの甘美な罪悪感を思い出す。

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