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丘の上 豊島与志雄 メランコリー幻想集(仮)

豊島与志雄

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784779124419
ISBN 10 : 4779124417
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

太宰が最も尊敬し、芥川、川端が恐れた作家・豊島与志雄の全貌が明らかになる代表作が甦る!

【著者紹介】
豊島与志雄 : 1890(明治23)年〜1955(昭和30)年、日本の小説家、翻訳家、仏文学者。久米正雄、菊池寛、芥川龍之介らとともに第三次「新思潮」の同人として世に出る

長山靖生著 : 評論家。1962年茨城県生まれ。鶴見大学歯学部卒業。歯学博士。文芸評論から思想史、若者論、家族論など幅広く執筆。1996年『偽史冒険世界』(筑摩書房)で大衆文学研究賞、2010年『日本SF精神史』(河出書房新社)で日本SF大賞、星雲賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 吉田あや

    ぼんやりとした予感が時を急かせ、静寂の美しさの中に違和感が立ち上がり、濁々とした想いが注ぎ込まれる圧倒的な心象風景に飲み込まれるような短篇たち。鬱々としながらも、時折透けて見える内側の滾る想いを美しい風景に混ぜ込み、静かな世界に隠してしまう。そんな密やかな孤独の中にある寂しさと愛しさが並列し、言葉にならず、まだ名前のつかない内側の感情と引き合わせてくれる文学の悦びに浸らせてくれた。作風も文体も違うけれど、読んでいて森茉莉さんの感性と交わる孤高の美しさを感じた。

  • HANA

    都会人の孤独も道ならぬ恋も象徴的な寓話も近代中国の説話も、どれもこれも白く輝くような憂愁に包まれたような話ばかり。著者といえば知る切っ掛けと同時に読んで衝撃を受けた「都会の幽気」から、大正期独特の都会人の神経衰弱的な話を書く作家かと思っていたけど。確かにそういう話も含まれていたが、後年の象徴主義を思わせる話や中国を舞台にした話、日常の奇妙な話等、この著者の全体的な流れを追える造りとなっている。あまり他の話を読んだ事がなかったので、入門的にもありがたい。でもやはり気に入ったのは、前半の神経症的な話だけど。

  • なっく

    豊島与志雄は芥川龍之介、菊池寛と親交のあった明治〜昭和の作家であるが、何といっても太宰治とは特別の仲で葬儀委員長も務めたそうだ。そのような時代の作家の作品らしく、自堕落で、厭世的で、幻想的な魅力がある。戦争や病気というもののせいで死が身近だったというのもあるだろう。男女の関係も今とずいぶん違う。それに対して現代は、スマホですぐ連絡が取れる割には、直接的な言葉で相手を傷つけないように配慮しなければならない、ある意味難しい世の中になったんだな、とか思って読了。

  • ホン

    前半は自意識過剰というか度の過ぎた被害妄想者なのではと思ってしまうような人の話が連なっている、これはこれで読み応えはあるが後半にいくほどさすがに影に隠れた実力派の作家といわれるだけあって文学的価値の高そうな作品も見受けられる。副題にメランコリー幻想集とあるが全体に憂鬱そうな雰囲気が漂っている。

  • nightowl

    表紙を見て、幻想小説系統?と思いはしたもののやっぱり文学作家だけあってごつごつしている。文章にもっとしなやかさがあればとつい思ってしまう。発狂する切っ掛けは日常の一瞬に起きる「逢魔の刻」、独りでいようとしがち者にとっては自分の老後を想像するようで何とも言えなくなった、ちょっと変わったお隣さんの話「絶縁体」が印象的。「絶縁体」がOKならそのうち吉田知子も出てくるのではと期待してしまう。

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