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シチリア・マフィアの世界

藤沢房俊

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062919654
ISBN 10 : 4062919656
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2009
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Product Description

名誉、沈黙(オメルタ)、暴力……大土地所有制、民衆運動、ファシズム……シチリアの風土と社会が生んだマフィアの実像とは?

「シチリア。道化芝居と悲劇が絶え間なく繰り返されるその人間の大スペクタクルをよりよく理解するには、マフィアをわかる必要がある」
シチリアの過酷な風土と圧政とが育んだマフィア。大土地所有制の下で、18世紀に台頭した農村ブルジョワ層は、暴力と脅迫でイタリア近・現代政治をも支配した。謎の組織の誕生と発展の歴史を辿る。

マフィアとは何なのか。なぜそれがシチリアに生まれ、それがどのように発展し、いまシチリアの、そしてイタリアの恥部とさえいわれるものとなったのか。(中略)マフィア、シチリア、イタリアは足にまつわる一連の鎖のように、歩くたびにジャラジャラと音をたてて私から離れない。その鎖のひとつマフィアを取り除こう。そうすることによって、シチリアの、イタリアの理解が一歩深まるのではないだろうか。――<「はじめに」より>

Content Description

「シチリア。道化芝居と悲劇が絶え間なく繰り返されるその人間の大スペクタクルをよりよく理解するには、マフィアをわかる必要がある」シチリアの過酷な風土と圧政とが育んだマフィア。大土地所有制の下で、一八世紀に台頭した農村ブルジョワ層は、暴力と脅迫でイタリア近・現代政治をも支配した。謎の組織の誕生と発展の歴史を辿る。

目次 : 第1章 マフィアの誕生(名誉とオメルタ/ 農村から都市へ)/ 第2章 マフィア王国の成立(幼虫から蝶へ/ ノタルバルトロ殺人事件/ 「シチリア・ファッシ」)/ 第3章 ファシズムとマフィア(マフィアとファシズムの共存期/ ファシズムのマフィア撲滅政策)/ 第4章 シチリア独立運動と山賊とマフィア(連合軍シチリア上陸作戦への協力/ シチリア独立運動/ 山賊ジュリアーノの生涯)/ 第5章 企業家としてのマフィア(大土地所有制は死に、マファイアは生き残った/ シチリア・マフィアと「コーザ・ノストラ」の連携)

【著者紹介】
藤沢房俊 : 1943年、東京に生まれる。早稲田大学大学院博士課程修了。文学博士。東京経済大学教授。著書に、『赤シャツの英雄ガリバルディ―伝説から神話への変容』(第十一回マルコ・ポーロ賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kazi

    スコセッシやコッポラ監督が撮るマフィア映画の大ファンなので、本著でその文化・歴史的背景について勉強してみました。歴史をさかのぼると、19世紀中葉まで戻ることになり、そこにはシチリア民衆による“国家”に対する挑戦的な意識があり、司法や政治をも巻き込んだマフィアはただの犯罪組織にとどまらない“現象”であると理解しました。1980年代になっても、マフィアに対してメスを入れようとした判事や将軍が殺されているということがものすごい衝撃。そこに生きる人の意識が根底から変わらない限り、状況は変わらないのかもしれません。

  • SAT(M)

    マフィア=アウトローというイメージを持ちがちですが、元々は大地主と農民との間に立ち、(恐怖と暴力で)在地を支配するといったような、日本史で言うところの地頭に似た、権力構造の一部だったそうです。時代が下っても、権力や民衆運動と結びつきながら、既得権益はガッチリ確保する強かさ!(意外にもムッソリーニ政権とは折合いが悪かったようですが…)。大戦後焼け野原になったシチリアにて、盛んになった建設業界にマフィアが進出する様は、「仁義なき戦い」の時代と共通する所があります。マフィアを知れば近代イタリア史も分かる(?)

  • sibasiba

    原本は1988年なので情報が古い。しかしシチリアマフィアの誕生と発展をわかりやすく解説していて入門書に最適。農地監視人出身が多かったとかアメリカのマーノ・ネーラ、後のコーザ・ノストラとの関係。第二次世界大戦での連合軍に協力するマフィア。「封土のマフィア」から「起業家のマフィア」に変貌し農村から都市へ。マフィアではないけど山賊が大戦後も存在したとか何処の第三世界だ。家畜窃盗が山賊やマフィアの収入源のひとつなのが面白い。山賊ジュリアーノはロマンチックな存在だが利用され尽くして捨てられて哀れ。

  • 筑紫の國造

    映画などで我々がイメージするマフィアとは一線を画す、シチリア・マフィアの誕生とその歴史を描いた好著。マフィアは単なる犯罪組織というだけでなく、シチリアの精神風土と密接に結びついている。大土地所有制から発生したその生態は、アメリカのコーザ・ノストラとも大きく異なる。民衆を支配し、政治までも牛耳るマフィアの根は深く、その根絶は容易なものではないだろう。過去幾度となく撲滅が図られたものの、マフィアはその度に生き抜いてきた。今後、シチリアからマフィアが根絶される日は来るのだろうか。

  • ふぁきべ

    これをシチリア人が読んだらどう思うだろうか。シチリアとマフィアの同一視を再三にわたり否定しながら、シチリアの文化やメンタリティはマフィアに根差していると同時に書いている。シチリアマフィアがシチリアとその大土地保有性に根差していて、農民や地主層へ大きな影響力を持っていたことは否定のしようがないけれども。その封建的な性質を取り除けなかったのはマフィアによるところが大きいから、封建的で中世的なところをシチリア的と言ってしまうなら、それはマフィアに根差しているともいえるが・・・。

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