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ISBN 10 : 490978201X
Content Description
村落文書のあり方を考えるときに、近世はおろか、中世においても、様式や署判のありかたは見過ごされ続けてきた。本書では、中世の「村落定書」(村落集団の意思決定事項を記した文書や木札など)と、村落文書の「署判」に着目して、従来の古文書学・史料学の枠組みでは捉えきれない、中世村落文書が持つ豊かな世界の扉を開く。第一部では、中世から近世移行期までのすべての村落定書の文書様式と内容分類の分析を通し、両者の関係の変遷をあとづける。そこで見えてきたのは、口頭伝達社会の村人が文字による伝達に接触していく過程の痕跡であり、中世村落の動的な姿である。第二部では、村落文書の署判に着目する。署判の有無と「正文」「案文」の関係への疑問、署判からみえる村落集団と集団代表個人との興味深い関係性を示し、そこから中世村落民の意識の問題までを見通す。
目次 : 第1部 村落文書の形成と村落定書(村落文書の形成―荘園公領制との関連から/ 村落定書の世界/ 村落定書の成立と変遷―文書様式の観点から/ 村落定書の源流―注置状と置文)/ 第2部 村落文書の署判(村落定書の署判/ 村落文書の惣判・惣印/ 惣判・惣印の形成とその意義/ 丹波国山国荘における木印署判)
【著者紹介】
薗部寿樹 : 1958年東京都品川区生まれ。1989年筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科史学専攻単位取得退学。1991年山形県立米沢女子短期大学講師。1994年同助教授。2004年同教授(至現在)。2018年同副学長(至現在)博士(文学)(筑波大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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