会社法の基礎知識 第6版

　商法は民法などにくらべ、どちらかというと、「むずかしい法律」と敬遠されるのが一般のようです。
　商法はそのような印象をもたれがちですが、ほんとうは商法も学んでみれば、なかなかおもしろい法律なのです。
　ビジネスの社会では、民法もたいせつな役割を果たしていますが、同時に商法もたいへん重要なはたらきをしています。取引を営む企業そのものも商法が規制しているのですし、その企業が営む取引活動も商法が規制しています。
　商法はひとことでいえば企業に関する法なのです。
　この本では判例に登場したケースの話や判例の考えなどをかなりの件数、とりいれて解説しました。また、学生向きの一般の商法の教科書とはおもむきを変え、小規模の株式会社の運営の実際やその問題点についてもかなり言及したつもりです。
　なにしろ、実際のわが国の企業社会における企業の圧倒的多数は中小規模の会社なのですから、これを無視することはできないことだからです。そして、また、そのような状況や実際の運営を知ることは、わが国の企業社会を正しく把握するために不可欠のことだからです。
　本書が読者のみなさんの商法学習に少しでも役立てば幸いです。
（「初版はしがき」より抜粋）

本書の記述は、2024年7月31日時点の法制度情報に基づいています。

【著者紹介】
井口茂 : 早稲田大学政治経済学部卒。弁護士業の傍ら、飯能市教育委員や目白学園女子短大講師などを歴任した。１９９３年逝去

鷹取信哉 : 早稲田大学法学部卒。弁護士（東京弁護士会所属）

田中昭人 : 早稲田大学法学部卒。弁護士（第一東京弁護士会所属）（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）