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放浪・雪の夜 織田作之助傑作集 新潮文庫

織田作之助

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101037035
ISBN 10 : 4101037035
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2024
Japan

Content Description

『夫婦善哉』の作者であり、太宰治、坂口安吾の盟友としても知られる織田作之助。その作品の魅力は豊かな物語性にある。料理人順平の流浪の旅を描く「放浪」。別府へと逃れ落ちた男と女―「雪の夜」。商才に優れた男が家を再興する芥川賞候補作「俗臭」。龍馬に慕われた寺田屋お登勢の半生「蛍」。織田文学の研究者が厳選した11編を収録。波瀾万丈そして人情。大阪が生んだ唯一無二の作家がここにいる。

【著者紹介】
織田作之助 : 1913‐1947。大阪市の仕出し屋の家に生れる。三高時代から文学に傾倒し、1935(昭和10)年に青山光二らと同人誌『海風』を創刊。自伝的小説「雨」を発表して注目される。’39年「俗臭」が芥川賞候補、翌年「夫婦善哉」が『文芸』推薦作となるが、次作「青春の逆説」は奔放さゆえに発禁処分となった。戦後は「それでも私は行く」をいち早く夕刊に連載、’46年には当時の世俗を活写した短編「世相」で売れっ子となった。12月ヒロポンを打ちつつ「土曜夫人」を執筆中喀血し、翌年1月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 里愛乍

    何処となく泥臭く、スタイリッシュとははるかに程遠く、人間の狡さも醜さも愚かさも描き込まれたうえで温かい。壮大な笑いもあり、そのくせじんわりと沁みる、そんな織田作之助の小説が好きである。本書は既読作もいくつかあるが、収録された一作一作の注解が素晴らしい。編者である斎藤教授の解説だけでも自分にとって購入する価値は充分すぎた。無頼派について特に触れられ、太宰や安吾との作風の違いについて記されているところが興味深い。

  • 優希

    波瀾万丈で人情味あふれる面白さがありました。誰もが個性的で豊かさがあります。大阪を舞台に多彩で唯一無二の作品を作り出すのが織田作なんですね。

  • メタボン

    ☆☆☆☆★ 大阪の世相を活写した短篇や、恐らくオダサクが得意とする一代記を題材とした作品が収録。兄の文平は使い込みを苦にして猫いらず飲んで自殺、弟の順平は婿養子になり切れず半端な料理人として「放浪」。先代の放蕩で傾いた魚問屋を出て成金になるまでを描く「俗臭」。笑ってしまうほど情けない夫を女の一人語りで描く「天衣無縫」。いつの間にか夫婦仲睦まじくなっている「人情噺」。しっかり者の登勢「蛍」。千日前の逞しい市民の様子「神経」(既読)。癌で妻を亡くした「高野線」。電報を受けてホームで待ち続ける女「郷愁」。

  • たぬ

    ☆4 1940年代に発表された11編を収録。武田麟太郎の死を悼んだ「四月馬鹿」が特に好き。武田がキャッキャしててかわいいんだよね。「原稿書くから酒飲ませて」「だめ!」「ちょっと外の空気吸わせて」「だめ!」「締め切り延ばそう」「だめ!」編集者とのやり取りがツボすぎる。その日暮らしをしている戦中の市民ってこんな感じだったんだろうな。なんだかんだあるけど大阪で生きてるよー感あって妙な気力が湧いてきた。

  • ori

    オダサク初読み。めっちゃ面白いな(今さら中の今さら) 。俯瞰で冷静に人を観察しながら1人の人間の様々な面を描く。世間的にはどうしようもない人物に対してアホやなあ、でもしゃあないなあという情も見える。人間を描いてやるという気概まで感じつつ、しれっと外したオチでしれっと笑わせてくれる。凄いなー。締切に間に合わすために不本意に世相について書いた後、なぜ人を見つめない?世相とは結局人だろと後悔しまくる作家はご本人だろうか?もっと読みます!

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