Books

南京事件 新版 岩波新書

笠原十九司

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004320739
ISBN 10 : 4004320739
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1937年、日本軍は中国での戦線を拡大し、戦争の泥沼に突き進んだ。その一大汚点としての南京事件。殺戮・略奪・強姦の蛮行はいかなるプロセスで生じ、推移し、どんな結果を招いたのか。日中全面戦争にいたる過程、虐殺の被害の実相、推定死者数等を旧版より精緻に明らかにし、事件の全貌を多角的に浮かび上がらせる増補決定版。

【著者紹介】
笠原十九司 : 1944年群馬県に生まれる。東京教育大学大学院修士課程文学研究科中退。学術博士(東京大学)。専攻―中国近現代史。現在―都留文科大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • trazom

    南京事件というと、すぐに「虐殺の人数論争」に誘導したがる人たちがいるが、犠牲者総数が不明なら、恰も事件の有無自体が不明だと印象付けたい思惑が透けて見えて、殺伐とした気分になる。それに対し、笠原先生が描く南京事件は、客観的で信頼性の高いものだと感じる。特に、事件の背景(戦線不拡大の参謀本部と中国一撃論派との対立、上海派遣軍の軍紀頽廃の事情)、海軍の関与の重大性(海軍航空隊による南京爆撃やパナイ号事件)、日華両司令官の俗人的特徴(松井石根と唐生智)などの新たな知識を得て、事件への理解が一層深まった。

  • kinkin

    日本政府は、日本軍による南京入城後、非戦闘員の殺害や略奪行為があったことは否定できないと、独特の言い回しである。この事件は事件に大量虐殺と付け加えるのが当たり前だと思う。いまだにそんな事件は存在しない、捏造だ、そんなに殺されていないと、ネットにおいては語られている。数の問題ではなく一般人や女子供までを虐殺されていたのは海外の記者たちが本国に伝えている。大本営の規律の徹底が悪かった、兵站が悪かったことが原因でもあるが私が感じるのは命令とはいえ人が記述されている蛮行をどのような心でおこなったのか。

  • skunk_c

    秦郁彦とは立場の違いを指摘されることの多い著者で、本書でも例えば大山事件海軍陰謀説を主張(他の研究者の同意はほぼ読んだことがない)したりしているが、事件の基本的な構造は両者ともほぼ同じと感じた。軍中央の制止を無視して己の功名心に駆られて突き進んだ現地軍司令官の下で、上海戦で多くの犠牲を払いつつ、休むまもなく兵站補給も不十分なまま戦い続けた兵士達が、この蛮行を引きおこしていく。言うまでもなく当時の日本にはびこるアジア人蔑視の意識や、兵の糧食すら用意せず、捕虜を「処分」するしか途のない軍の恐ろしさを痛感した。

  • さとうしん

    南京事件の諸相を当事者の生き残りや当時南京に在住していた外国人の証言など、多方面からたどる。被害のありさまはただただ「酷い」のひとこと。よく話題に出る当時の南京の人口や殺害の規模についても詳しい論証がある。当然人口は20万で収まるはずもなく、虐殺・強姦なども南京近郊の農村にまで広がっていた。また、近年でも日本側の心ない「反論」が当事者に対する二次加害を引き起こしたことや、南京事件に関連してアメリカの砲艦パナイ号撃沈事件が真珠湾奇襲の前哨とも言うべき報復感情を呼び起こしたという点に触れている。

  • どら猫さとっち

    1937年、中国軍の銃弾が日本軍に撃たれた盧溝橋事件をきっかけに、日本軍の中国での戦線拡大が加速し、日中間が悪化した。そして、行き着く果てに起きた残虐非道なジェノサイド。殺戮から強姦、窃盗と阿鼻叫喚の惨劇。それが南京事件である。本書はその内情を精密に調査した記録。事件から60年経った1997年に刊行、ロングセラーを記録した名著を、今年戦後80年を期に新版として再版。南京事件を否定する昨今に楔を打ち付ける、恐怖と悲劇の歴史の記録。この事実を直視しなければならない。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items