Books

探偵小説は「セカイ」と遭遇した

笠井潔

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784523264804
ISBN 10 : 4523264805
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2008
Japan

Content Description

探偵小説の明日へ向かう新たな挑戦へ。21世紀の探偵小説の現在−未来を1本に紡ぐ、笠井潔渾身の評論集。「脱格系とセカイ系」「「容疑者Xの献身」論争」「探偵小説論の断章」に分けた構成。

【著者紹介】
笠井潔 : 1948年東京生まれ。79年に『バイバイ、エンジェル』で角川小説大賞受賞。98年『本格ミステリの現在』編纂で日本推理作家協会賞受賞。2003年に『オイディプス症候群』と『探偵小説論序説』で本格ミステリ大賞小説部門と評論・研究部門を同時受賞。小説、評論など幅広い分野で活動する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ばりぼー

    「容疑者Xの献身」論争。「容疑者Xの献身」は難易度の低い本格である。この作品が変形された倒叙=叙述探偵小説であり、その形式さえ踏まえるなら、初歩的な読者以外は物語の前半で真相を見抜くことができる。私は109頁までで真相を特定した。これを傑作として評価しがたいのはたんに論理パズルとしての水準が低いからではなく、探偵小説的精神が形骸化しているからである。感動症候群にとりつかれ「泣ける話」を麻薬のように求め続ける読者を対象に、その態度を追認し合理化するだけの小説は、探偵小説の精神を喪失した抜け殻にすぎない。

  • Ecriture

    探偵小説史の整理人。奈須きのこや西尾維新らに対する読み、反応としては最も冷静で興味深い議論がなされていると思う。東野圭吾『容疑者Xの献身』にミステリ界からこんな大論争が巻き起こっていることは知らなかったし、各論者の奮闘ぶりも興味深く読んだ。ただし著者の「二十世紀探偵小説の精神」がどうのこうのというこだわりには、やはり私も共感することはできない。ここのコメント欄見ててもやっぱりという感じ。探偵小説が20世紀精神や21世紀精神を宿さなくてはいけない云々と言われても……。

  • ぐうぐう

    本書を読んで、いわゆる『容疑者Xの献身』問題の全貌が理解できた。笠井の『容疑者X』批判は、彼が主張している20世紀精神から生じた探偵小説という観点からあまりにも薄弱な存在としてあるはずなのに、それを本格ミステリ界が諸手をあげて評価したこととの差異にある。そこに脱格系やセカイ系の台頭も絡んできて、笠井の厭世観はピークに達し、ついに『容疑者X』により第三の波は終結したと唱えるに至る。さすがにそれは言い過ぎな気もするが、笠井の心境も理解できる。中でも「ホームレスが見えない」説は、「実におもしろい」。

  • いちはじめ

    ミステリ評論集。笠井のいう「脱格系」を論じたもの、「容疑者Xの献身」論争、その他の小論の三部構成。三分の一を占める「容疑者Xの献身」批判は、やはり無理があるのではないか。この人の悪い癖で持論の批判にはむきになって論破しようとするのが裏目に出ているように感じた。

  • りこ

    現在も70歳を超えて精力的に活動を続ける作家の2008年の著作。噂に聞くだけだった『容疑者Xの献身』論争は論旨が分かりやすく全体的におもしろかった。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items