Books

福永武彦新生日記

福永武彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784103187158
ISBN 10 : 4103187158
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

『福永武彦戦後日記』に続く結核療養所での日記。新たに発見された1949年日記と、1951〜53年日記を収録。妻子と別れ、死の不安のなかで、生への意欲を取り戻すまで―野心と断念、現状と夢想…作家生活の始まりの濃やかな記録。

目次 : 序 あるいは「新生」にいたる経緯(池澤夏樹)/ 一九四九年一月一日〜七月十五日/ 一九五一年十二月十日〜一九五三年三月三日/ 註釈/ 解説(一九四九年日記をめぐって(鈴木和子)/ 一九五一〜一九五三年日記をめぐって(田口耕平))/ 福永武彦小伝(鈴木和子)/ 原條あき子小伝(田口耕平)/ 年譜 一九四四〜一九五三年

【著者紹介】
福永武彦 : 1918年、福岡県生まれ。一高在学中から詩作を始める。東大仏文科卒。学習院大学で教鞭をとる傍ら、叙情性豊かな詩的世界のなかに鋭い文学的主題を見据えた作品を発表。61年『ゴーギャンの世界』で毎日出版文化賞、72年『死の島』で日本文学大賞を受賞。79年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • キョウラン

    「しかし果たして幸福でいるとは何であろう、誰が幸福だと言えるのだろう。人は人生にさまざまな過ちを冒し、おそく後悔し、求めなかった道を 歩き、そして孤独だろう。誰しもが、心の中に一しずくの涙を持って、それを忘れることに一日の生活を築いて行くのだろう」にはなかなかはっとさせられる。いつの時代も文学青年は孤独と苦悩と仲良しである。そういえば福永武彦氏は池澤夏樹の親父さんなんですな。もうちょっといろいろ福永武彦の本を読んでみたいと思った。

  • 前回の戦後日記とあわせて福永を知る上で貴重の一冊と言える。福永自身、1949年の日記は、僕が書いたもののうちで一番いいものであるかもしれないと語っている。つまり、自分の現実が、そこから生み出される小説世界に、必要不可欠なものを意識し、そして本当の意味で小説家として生きてゆく覚悟をした時期だと。主に東京療養所時代での日記ではあるが、後半(1951〜1953年)の日記は、澄子(原條あき子)との悲しい決別から、未来の伴侶、そしてその後の福永小説(イメージ)へと繋がってゆく。

  • novutama

    「死者は生者の純粋な記憶と代りに生きるといふ自覚との中に生き、生者が死ぬと共に真に死ぬ。」「草の花」で主人公の汐見に語らせた言葉そのものだ。息子の夏樹が書くように、この日記自体が優れた小説となっている。福永は自らに伝統的な私小説を書くことを禁じたが、その資質は私小説にこそふさわしかったのかもしれない。この日記が幼き日に生き別れた息子の救いになっただけでなく、父の作品の見方さえ変えてしまったことは想像に難くない。盛んに読んだ10代の頃とは違い、齢を重ねひねくれた読み手となってしまった私でさえそうなのだから。

  • Rusty

    ロマン的な作風だとは思ったけど、本人の生活と、『小伝』の出生の話等を見ると、さもありなんと思える。キリスト者として「受難」を受け止め、芸術者としてそれを昇華させようと苦闘した、と言えるのだろうか。まあ、『愛の試み』なんかを読むと、清廉なばっかりでもない(甘えと読めば別かもしれないが)し。この日記の中でも何人かの女性が現れるし。『風土』はまだ読んでないが、『忘却の河』『海市』などは生活の目線も十分見られる。著者の意図するところではないかもしれないが、やはりこの日記を読んだうえで小説を読むと面白いと思う。

  • アレカヤシ

    もし健康な体だったら、小説家福永武彦はこの世にいなかったのだろうか。私からみたら、異常に活動的な療養生活にとても驚かされる。これを読むと、健康体の自分の無為の空っぽの生活が嫌になる。著者は芸術も人生も目一杯だ。本当に生きている、と思う。 著者の小説のかなりリアルなモデルが沢山でてくる。厳しい現実を物語にすることによって受け入れるという小川洋子さんのいうことと近い感じ? (僕は日なた水のやうな幸福なんか求めたくはない。どんなに悲劇的でも、生きてゐると感じるやうな、一瞬のために)P148  

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items