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マリアージュ・ブラン

砂村かいり

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569857848
ISBN 10 : 4569857841
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
October/2024
Japan

Content Description

恋愛感情はない。手を繋いだこともない。世界でいちばん気の合う、大切な友人と結婚している――夫婦の在り方を描いた長編小説。

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Book Meter Reviews

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  • hiace9000

    友人同士で結婚した菜穂と尊。穏やかな二人の関係性に生じた小さな綻び。それを『マリアージュ・ブラン』という言葉に託し、繊細にして複雑に振れる感情と共に静かに見つめ描く。心の内側に張り付き見過ごしてしまいそうな感情をぺりぺりと剝がすように、人の気持ちの微細な機微を丁寧に摘まみ上げて見せるのが砂村作品の旨味の一つ。"普通"であることへの羨望、仕事や友人関係を含めた暮らしの中で浮かび上がる否定しつつも否定しきれない恋愛感情や嫉妬、自身の性的志向への戸惑い、恋愛感情を持たないはずの友情結婚の行く末にあるものは―

  • Kei

    肉体関係のないまま、またそれがお互いに心地よく。同意の上、婚姻の形をとっている同級生の2人。マリアージュブラン。仏語で、白い結婚、あちらでは居住権の偽装婚に使われる。ただ、この2人、偽装てはない。身体で結ばれるのではなく、気持ちで、一番共有したい部分で、お互いにわかりあえるであろう関係。うーむ、一番難しいよね。その2人にからむ友人、職場の様々がリアルで、なかなかに読ませます。婚姻、また、その形をとらなくとも、様々な関係があってもよいと許容できる社会でありたいです。枕草子のめでたき人が印象的な描写の2人です

  • おしゃべりメガネ

    う〜ん、なかなか色々と考えさせられる作品でした。テーマはズバリ、アロマンティック・アセクシャルのお話です。何がどうだと普通なのか、そもそも普通とは何なのか。恋愛感情や性欲に関する見方や考え方が淡々と綴られています。マイノリティや多様性云々と耳にする昨今において、昔ほどではないにしろ、やはり今現在においてもなかなか理解や認知が追い付いてないかもしれませんね。主人公の二人「尊」と「奈穂」は結婚はしていても、性的な関わりは一切なく、暮らしています。きっとそういうコトにまだ自分の理解や認知が追い付いてないかなと。

  • 美紀ちゃん

    滞在許可証やフランス国籍を得るために現地人と結婚する。利益の一致により愛のない結婚に至る。空白の結婚、ペーパー婚→マリアージュ・ブラン。尊がいい人で良かった。尊の「めやすき人」が菜穂で良かった。ケンカが長引き、星夜の気持ちを疑っているあたりから、どうなるのか?ハラハラしたけど、温かいラストで本当に良かった。アロマンティック、アセクシャル。自分は何なのか?どちらとも判断できない、名前のない性的なグラデーションがあって、それぞれ不安な気持ちを抱えている人がたくさんいることを改めて感じる内容だった。

  • 星群

    『同じよう』であっても『同じ』ではない$Fんな人がいるんだなぁと、つくづく思いさせられました。それと同時に私も自分のこと知っているようで知らない一面があったりするのかな、なんてことにも思い馳せました。奈穂と尊の距離感とか雰囲気が、今の私には心地がいいなと酔いしれながら読み進めたのです。が、だんだん色んなことが詰め込まれてきて、それが中途半端に感じてなんだか残念です。

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