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ニ-ベルンゲンの歌 前編

石川栄作

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480428165
ISBN 10 : 448042816X
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2011
Japan

Content Description

数々の武功を立て、ニーベルンゲンの財宝を手に入れたジークフリート。竜の返り血を浴びて不死身となった彼だが、妻クリームヒルトとブルグント王妃ブリュンヒルトとの諍いから、王の重臣ハーゲンの策略によって暗殺されてしまう。そしてニーベルンゲンの財宝は、ラインの河底に沈められるのであった。中世ドイツに成立し、その後の西洋文化・芸術面に多大な影響を与えた英雄叙事詩の完全新訳。

目次 : ニーベルンゲン(ブルグント)一族のこと/ ジークフリートが成長したこと/ ジークフリートがヴォルムスへやって来たこと/ ジークフリートがザクセン勢と戦ったこと/ ジークフリートがクリームヒルトに初めて会ったこと/ グンターがブリュンヒルトへの求婚を考え始めたこと/ グンターが仲間を連れてアイスランドに到着したこと/ ジークフリートが募兵のためにニーベルンゲン国へ赴いたこと/ ジークフリートがヴォルムスへの使者となったこと/ グンター王がヴォルムスでブリュンヒルトと結婚式を挙げたこと〔ほか〕

【著者紹介】
石川栄作 : 1951年、高知県生まれ。福岡大学人文学部独語学科卒、九州大学大学院文学研究科修士課程修了。現在、徳島大学総合科学部長・教授、文学博士。専攻、ドイツ中世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • syaori

    再読。読み返してみると、注などでも指摘されているとおり、美しい姫を求める騎士がいる中世の騎士物語の典雅な世界と、財宝を守る侏儒や自分を求める騎士と勝負をしては殺してしまう女王のいる、血の香りのする古代の伝説の世界とが折り重なる、野蛮で優雅な世界が現出しているのがよく分かります。2組の、美姫と騎士の結婚を巡る本巻は、勇士や乙女が身に付ける宝石が草原にきらめく雅やかな印象が強いですが、そのなかで何度も不吉な予言が示され、静かな湖面が波立ってくるのを見るような不穏さも募ります。ジークフリートが暗殺されて下巻へ。

  • マウリツィウス

    [NIBELUNGENLIED]古典叙事詩が可能化した新約聖書像の文学価値刷新が『ニーベルンゲンの歌』つまり古典古代と中世とを束ねたユダヤ教迫害の残影を切り捨てた文学水準に事実意味を見出せる。そして、深緑の世界であったはずのドイツ文明を解放、蒼い空に讃える中世の伝承へと姿を変えていく。従来この書物は《歌》、すなわち《声音》において形を帯びるものでありドイツ語源泉を知り尽した韻律支配が実体と呼べよう。シェイクスピア到来ではなく古典語観念を滅ぼした中世叙事詩の言語性質とは普遍夢幻にある対抗を示すドイツ圏遺産。

  • マウリツィウス

    【霧の子ら】ニーベルンゲン、つまりそれは古典主義を意味しない。元来北欧背景にて成立したこの叙事詩はロマン主義をも否定する《中間概念》だ。ドイツ成立と共に誕生した「奇蹟」とは英雄ジークフリートを謳う。最高の様式美は音楽的であり、「韻律」こそがこの世界を総べる。ファウストとの共鳴性を経ることで「ホメロス的知的傲慢」を超克した。その意味つまり原型史に記録された『エッダ』とはロマン/古典の脱構築詩的理論であり、よってルネサンス文明に侵入余地はない。《神話時空》をシャットダウンしたリアリズムこそが近代性を証明する。

  • マウリツィウス

    ニーベルンゲンの哀しき歌の提示したドイツ語叙事詩の新体系はホメロスにより統合化された普遍文学像を塗り替えていく。つまりゲルマン神話の根源とは新約域に属す。近代ドイツ語文学において再度参照されるこの歌集はグレゴリアン・チャントではない簡潔かつ澄んだ頌栄を反響させていく。つまりその韻律形態論は独立自民族としてのドイツ文明社会論を明朗に表現し悲劇価値は反転、ニーチェの誇る最大限の叙事詩はワーグナーへの批判を既に含める。古典派の様式はここに確定しキリスト教叙事詩の再誕は成功した。中世叙事詩は矜持と超克の解放聖歌。

  • 記憶喪失した男

    ジークフリートが竜を殺した話は数行で終わる。オーディンの森で狩りをする話も数行で終わる。十三世紀につくられた神話といってもかなりつまらない。北欧とは、スカンジナヴィア半島のことで、ドイツは北欧に含まないらしい。北欧は、ローマ帝国に征服されなかったから北欧なのだという。ドイツはローマ帝国領だからちがうんだという。ワルキューレの原典を知りたくて読んだけど、ワルキューレはまったく出てこない。

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