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半分世界 創元sf文庫

石川宗生

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784488788018
ISBN 10 : 4488788017
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ある夜、会社からの帰途にあった吉田大輔氏は、一瞬のうちに19329人に増殖した―第7回創元SF短編賞受賞作「吉田同名」に始まる、まったく新しい小説世界。文字通り“半分”になった家に住む人々と、それを奇妙な情熱で観察する群衆をめぐる表題作など4編を収める。突飛なアイデアと語りの魔術で魅惑的な物語を紡ぎ出し、喝采をもって迎えられた著者の記念すべき第一作品集。

【著者紹介】
石川宗生 : 1984年千葉県生まれ。オハイオ・ウェスリアン大学卒。2016年「吉田同名」が第7回創元SF短編賞を受賞、翌年には第48回星雲賞の参考候補作に選出される。18年「白黒ダービー小史」が第49回星雲賞の参考候補作に、同年刊行された『半分世界』が第39回日本SF大賞最終候補作に選出される。20年には『ホテル・アルカディア』が第30回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • さっとる◎

    あらすじが用をなさないというのは素晴らしいことだなと思う。たった一言で表せてしまう一点突破の奇想、その先に広がってるやら掘りすぎて深くなりすぎたやらの景色。用意されたのは舞台だけで、夜には星が輝いてまた朝がくる。季節がめぐりにめぐり、見る者は見られている者になる。時間が過ぎて人物が登場しては去り、残された舞台には歴史が積もり永遠が現れる。もとが何だったのかはもう誰にもわからないし、もとには戻れない。それでもフジワリ、フジワレて、しまいには異国の神話めいた場所で私も来ないバスを待っている。見上げた空に星座。

  • シキモリ

    表題作を含む全四篇の作品集。不条理でぶっ飛んだ事象を発端とするが、その後の発展をさもありなんと思わせるディテールの積み上げと理路整然とした流暢な語り口調による(良い意味での)胡散臭さが独特の味わいを醸し出す。こねくり回した挙句、哲学的な着地点に収束するのも面白いが、全力でふざけ倒す類の作品にしては晦渋な言い回しが多く、ディテールを積み過ぎて間延びするので、途中でダレてくる。渾身の作であろう「バス停夜想曲、あるいはロッタリー999」の後半は文字を追うので精一杯だった。私は「白黒ダービー小史」が一番好きかな。

  • Sakie

    突飛な着想を、普遍のものとして世界を描くのとは違って、異質なものは異質なままに、大勢によってさらに展開されていく。そうきたか、と唸ること多し。表題作が面白かった。例えばフジワラーたちが藤原家の本棚に興味を覚え、片っ端から読むという展開には留めず、子供たちが「百年の孤独」の読書感想文を提出するとか、その教養をもって奇想小説を書きあげるあたり。そして、終盤のフジワラーたちをギャフンと言わせる仕掛け、そしてそれすら踏み倒して進むフジワラーたちのエネルギーと発想には人類の進化の謎を連想させるものがある。気がする。

  • duzzmundo

    小川哲を読んだときと同じく、すごい人が出てきたパターンかと思ったら、あとがきに飛浩隆が出てきて納得。これはなかなかの本物っぽい。表題作もいいですし、吉田さんが突如として増殖してしまう「吉田同名」もよいです。が、個人的には「バス停夜想曲、あるいはロッタリー999」が出色でした。これは傑作なのではないかと思ったくらい。作風的に合わない人も多そうですが、とても気に入ったので「ホテル・アルカディア」も購入しました。近いうちに読もうと思います。

  • ソラ

    短編4本とも面白かった。世界観にすっと入らせてくれる筆力がある。

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