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幼ものがたり

石井桃子著

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784834018226
ISBN 10 : 4834018229
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2002
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

記憶の堆積の下から、昨日のことのように鮮やかに浮かび上がる幼時の記憶の断片…。そのひとつひとつを丹念に拾い上げ、明治末年の生活を幼い心に映ったままに再現した、たぐいまれな自伝・回想記。

【著者紹介】
石井桃子 : 1907年、埼玉県浦和に生まれる。文芸春秋社、岩波書店勤務ののち、瀬田貞二氏らと「子どもの本研究会」を始める。以後、著述・翻訳に従事

吉井爽子 : 1940年、東京に生まれる。女子美術大学洋画科卒。個展のほか、行動展に作品を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • かもめ通信

    1907年生まれの石井桃子さんが、「古希」を迎える頃に執筆した幼い頃の回想録。物心ついて以来、何となく6人ひとかたまりのように考えてきた「きょうだい」が、1人2人と欠けていき、ついには自分ひとりになってしまったという桃子さんが、あれこれと思い出しながら語るのは、両親のこと祖父母のこと、4人の姉たちや兄のこと、同居していた「まあちゃん」のこと。舞台は明治の終わり頃で、私にとっては祖父母世代の話のはずなのに、読んでいるとどういうわけか胸が痛くなるような懐かしさでいっぱいに。

  • バニラ風味

    小さい頃の出来事を、よく覚えていることと感心。子どもだからこそ、できた数々の出来事。近所の人の家を出入りしたり、事情をわからずにいて後でわかったこと、どこそこに、あんな店があったとか、スミレの花が咲いていたなど、なんてこともない事なのに、楽しく、面白く、自分まで懐かしい気持ちになってしまう。昔は、親戚、友人など、今では考えられないような、密なお付き合いがあったな、と実感。古きよき時代が、ぎゅっと詰まっていて、その時代が、モノクロで、目の前にぼんやりと見えてくるような気がしました。

  • さくら咲く

    石井桃子さんの誕生した明治末期から小学校に入学した頃までの思い出話。やっと電気が普及し始めるという不便な時代ではあったが何とも大らかなゆったりと時が流れる時代であったことか。桃子さんの幼い頃の記憶の断片が大家族の日常、中仙道には面した商いの様子、近所付き合い、子供の遊びなど細やかに再現され目に浮かぶ。この百数十年の日本の変化はどうだろう。喜ぶべき事であるのは確かだが、桃子さん時代にまだまだハマっていたい心地良さも感じる。

  • シュシュ

    1907年生まれの石井桃子さんが小学校に上がるまでの思い出を綴ったもの。幼い頃の様子をとても細かくたくさん書いてあり、面白かった。(記憶力、観察力のすごさに圧倒される!)大家族の上に近所の様々な人たちとの関わりがとても豊か。ご自宅があったのが浦和、中仙道のあたりで私にも少しなじみのあるところなのでなおさら興味深かった。またいつかゆっくりと再読したい。

  • あ げ こ

    幼い日々の、それも〈ほんとうの日常茶飯事のほうが多い〉と言う記憶の、細々とつぶさで濃密な、その細部を読む楽しさ。人や家やものや、遊びや習慣や季節の行事や祖父直伝の昔話や、暮しの中にあって、特別なこととしてではなく、ほんとうの日常茶飯のこととして存在していて、日々、見たり聞いたりしゃべったり訪れたり、触れ合ったりしていたそれらのこと、自らの身体(目や耳や鼻や口や、手や足や肌)とも当然、直に結び付いていて、親密な。それは常に体験として、豊かに示され続ける。教訓としてではなく、何かを示唆するものとしてでもなく。

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