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血腐れ 新潮文庫

矢樹純

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101023823
ISBN 10 : 4101023824
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2024
Japan

Content Description

亡き夫に唇を触れられたと語り出した義妹(「魂疫」)。縁切り神社で行われる儀式=i表題作)。忌まわしき伝承を持つ鐘が鳴るとき(「声失せ」)。原因不明の熱に苦しむ息子に付き添う私に近づいてきた女(「影祓え」)。身近な者の災難や死が切り裂いた日常。煉獄の扉を開くのは、無念を抱く冷たい死者か、あなたの傍らで熱を放つ家族か。禁忌を踏みこえた先に見える真相。戦慄のホラー・ミステリー短編集。

【著者紹介】
矢樹純 : 小説家、漫画原作者。1976(昭和51)年、青森県生れ。実妹とコンビを組み、加藤山羊の合同ペンネームで、2002(平成14)年、「ビッグコミックスピリッツ増刊号」にてデビューする。’12年、「このミステリーがすごい!」大賞に応募した『Sのための覚え書き かごめ荘連続殺人事件』で小説家としてデビュー。’19年に上梓した短編集『夫の骨』が注目を集め、’20(令和2)年に表題作で日本推理作家協会賞短編部門を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • いつでも母さん

    6話の短編集『魂 疫』『血腐れ』『骨煤』『爪穢し』『声失せ』『影祓え』タイトルだけでザワザワする。ホラー×イヤミス・・どれも凄い。どこを切り取っても押し寄せる不穏な空気感。後ろに誰かがいるような、肩に何かがのしかかったような、モゾモゾと心の底から何かがはい出すような・・キャー(汗)期待を裏切らない矢樹さんに天晴れの読後感。

  • ちょろこ

    完成度が高い一冊。家族を一つの軸に描いた6篇の恐怖は終始ざわざわが止まらない。どれも序盤から言い知れない不安感が付き纏い、ページを捲るごとに次第にその不安感が増殖し、心を乱し侵食してくる。時折スッと差し込まれる何とも言えない気持ち悪さや恐怖。そしてふっと空気が一変するその描き方まで、短編という小さな世界の完成度の高さに思わず吐息がもれた。そして背中にスッと冷たい風が吹くような余韻がすごい。小さな細かい日常の描写で読み手の心をストーリーの身近に置きつつ、ホラー調ミステリで突き落とすなんて。ゾゾッと感一級品。

  • タイ子

    ホラーミステリ6つの短編集。ストーリーの展開の面白さがゾワリ感とともに背筋が冷える。この世のものではない何かが人間の悪意にもぐりこんで、幻想と現の世界を彷徨わせる。かと思えば、現の世界で生きている人間が起こす悪意の連鎖。あ、そうだったのか!的などんでん返しの展開が面白い。そこでさらに怖いと思わせる技巧はさすが矢樹さん。これから読む人のためにあまり多くは語らないでおこうと思う。不穏な空気が立ち込める作品集を是非味わって欲しい。

  • yukaring

    とことんイヤな気持ちになる不穏な家族図鑑。身近な人間の死や災難からあちら側へ足を踏み入れてしまった人々が体験する背筋が凍るような物語6編。亡き夫の霊が見えるという義妹。夢で唇を触る夫は何を伝えようとしたのか?「魂疫」山奥にあるという縁切り神社。そこに血を捧げて縁切りを願うと・・「血腐れ」地獄に落ちる人間の骨は焼くと黒くなるのか?「骨煤」原因不明の熱に苦しむ幼い息子。影祓えという儀式を教えてくれた女の本当の目的とは・・「影祓え」人間の罪深き闇と怪異が濃厚に絡み合い、現実が侵食されていく戦慄のホラーミステリ。

  • nobby

    短篇6つのタイトルに含まれる「魂」「血」「骨」「爪」「声」「影」という漢字一文字群。人の「体」への容易な想像にもう怯える…序盤で仄めかされる事態にひとまずゾワッと…その割にあくまで日常的に描く中盤では案外と落ち着いた展開に少し肩透かしながらホッと…すると最後には不穏を迎えてゾクッと…あからさまな白黒とか言葉の横に傍点など、わざわざ分かりやすく違和感バラまく演出が上手い!「呪」「憑」「隠」など漢字一文字で表せる誰もが知る不安に引き込まれること必至!それを導くのは人の「邪」「闇」「悪」などこれまた漢字一文字…

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