Books

なめらかな人

百瀬文

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065355329
ISBN 10 : 406535532X
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2024
Japan

Content Description

たとえこの地球に散り散りに住むことになったとしても家族でいられるように、わたしたちは将来の約束をしない−ー群像の好評連載がついに単行本化。新進気鋭の美術家による清冽なエッセイ。

「実際のところ別に名前自体はどうでもいいとは思うが、必ずしも恋愛にもとづかない関係をときどき家族と名乗ることができたりする社会になったらいいのにな、とは心から思う。
 けれど、わたしの中にある「家族」への固執は、おそらくもっと身勝手で、ままならない何かに紐づいている。自分の心と体が誰にも支配されることのない家を、安心して帰れることが約束された家を、わたしはこの手で作り直したかったのだと思う」(本文より)

目次

なめらかな人            
ママと娘              
骨が怖い              
交差点               
ビオランテ             
もしもあなたと逢えずにいたら    
ねじれたヌード           
底意地の悪い            
ドクメンタの夜           
晋吾のスカート           
肉を噛む            
バッド・ゲームの向う側       
見ない、見えない、見なくていい  
身籠り               
あの銅鑼が鳴る前に         
石に歯               
ぬいぐるみたちの沈黙        
労働と蕩尽             
マイホーム             
続・マイホーム           
白い塀               
遥かなるゾーニング         
秘密の融点             
砂のプール             
あとがき              

【著者紹介】
百瀬文 : 1988年東京都生まれ。2013年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。映像によって映像の構造を再考させる自己言及的な方法論を用いながら、他者とのコミュニケーションの複層性を扱う。近年は映像に映る身体の問題を扱いながら、セクシュアリティやジェンダーへの問いを深めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • nami

    共感することもあれば、斬新な視点に驚かされることもあり。「パートナー」や「家族」の定義は人それぞれだけど、例えば百瀬さん達のような女男男の三人暮らしなど珍しい形の生活は、世間からすんなりと受け入れてもらえずに苦労することが多い。生活様式に限らず、多くの人と違う選択をした際は、傷付かない為に先回りして理由を説明したりする。その度に、「この生活に最も負い目を感じているのは自分なのではないか」と悩む。理想の自分になるのは難しい。けれど、ままならないからこそ新たな気付きがあって良いのかも、と感じる一冊だった。

  • 梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

    著者はアーティストの女性。自身の生活全般に関わるエッセイ。女1男2の共同生活をしている。恋人もいるという。芸術家特有の自由さ、繊細さ、何事も奥の奥まで考えて追及しきる姿勢…その様なものを垣間見た気がする。読んでいて心が少し痛くなった。

  • カーンズ

    美術家、百瀬文さんのエッセイ。なんというか、作家さんのエッセイとは違う世界観を感じる。しかし美術的な造形的でなく、そのままの人間を描いているまさに、純白、ピュアを書いていると思う。 読んでいてどこか清々しい内容だった。 こんな読後感は初めてかも。名作違いない。

  • 東雲

    「わたしは何らかのかたちで、すべてのものが成熟に向かっていかなければいけないということ、その不可逆的ななにか自体に抗いたかったのだろうと思う」エッセイが得意ではないがこの本は読んでみたいと思った。私の中にも成熟を拒む部分があるから。宝物のように毎日少しずつ読み進めた。自身でも理解できない、嵐のように訪れる感情。それを後から言語化することで「やっぱり私は正しかった」と思いたい。少なくとも私はそうだった。再び子どもとして生まれなおすこと(=安心できる家)は必要だと思う。三十を過ぎても。なめらかになりたいな。

  • msykst

    状況理解と倫理的判断を理性的に行えたとしても、それとは相反する不合理な身体反応や欲求や妄想が同時に立ち現れてしまう。そんな経験は全然よくあると思うのだけど、その矛盾はあれこれの屁理屈で正当化されたり、あからさまに無視されたりする。しかし百瀬はそれをやり過ごさない。規範と経験の間にある矛盾を執拗かつ詳細に記述し、その後ろめたさ、面倒くささ、気持ち悪さを読者/鑑賞者に突きつけてくる。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items