Product Details
ISBN 10 : 4874985629
Content Description
2012年末、女子柔道強化選手15人が、全日本女子ナショナルチーム監督をはじめとした指導陣による暴力行為や
パワーハラスメントを受けていたことを告発した事件をきっかけに、全柔連の助成金不正受給、全柔連理事のセクハラ、
名門大学柔道部の暴力事件など、次々に明らかにされ、日本柔道のクライシス(危機)といえるものだった。
著者・溝口氏は、バルセロナ五輪(銀メダル)・アトランタ五輪に連続出場した、山口香選手と並ぶ、女子柔道選手のパイオニア的存在で、
上記の事件に関しても、当事者である女子柔道選手たちからの相談を受け、積極的に発言し、リーダーシップを発揮した。
本書の【第1部】は、溝口氏が柔道との出会い、強くなるにしたがって気づいていった、暴力・利権・タテ社会でがんじがらめになった
「柔道ムラ」の存在、「柔道ムラ」を拒否したがゆえの激しいいじめと闘いながら、頂点を極めた現役選手時代。
さらに、今の日本柔道界を覆う勝利偏重主義がなぜ生まれたのか、その歴史的背景を読み解きながら、日本柔道の宿痾を取り除く
方策を考える。
【第2部】は、現役を引退して、フランスナショナルチームのコーチとなって知った「フランスのJUDO」の魅力を、
日本柔道と比較しながら考察する。
特に、ロンドン五輪でチャンピオンとなったフランスの選手が語った柔道観は、硬直した日本柔道に風穴を開ける、衝撃のインタビューとなっている。
日本社会には、さまざまな「ムラ社会」があります。学校・部活・会社・業界・地域など、
あらゆる組織に利権や権威主義が根を下ろし、人びとは自由に物が言えない生きづらさを抱えながら日々を暮らしています。
本書は、スポーツの中でも、特に「御家芸」と言われ、オリンピックでメダルの獲得が期待される柔道で頂点を極めた柔道家による、「柔道ムラ」批判の本です。
小学生で柔道を始めた著者は、中学2年で全日本3位となり、地元の強豪校からスカウトされました。
しかし、著者は地元柔道界を牛耳る指導者の暴力体質を嫌い、周囲の圧力(例えば、「抱き合わせ」と呼ばれる、
有望選手が入学すれば練習相手として数人がその学校に入学できる特例措置=利権)をはねのけ、
自力で地元の進学校に進みます。
高校時代は、「柔道ムラ」から飛び出したがゆえに、出稽古を拒否されたり、試合でも不可解な判定に耐えながら、
当時チャンピオンであった山口香選手を倒すまでに成長しました。
【著者紹介】
溝口紀子 : 1971年静岡県生まれ。静岡文化芸術大学文化政策学部国際文化学科准教授。専門はスポーツ社会学。92年、バルセロナオリンピック女子柔道52kg級銀メダリスト。96年アトランタオリンピックにも出場。2002〜04年、日本人女性で初めてフランスナショナルチームのコーチを務める。13年2月、全日本柔道連盟評議員に就任。14年10月、静岡県教育委員会委員長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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K
読了日:2015/09/09
kenitirokikuti
読了日:2015/11/23
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