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しんがり山一證券最後の12人 講談社+α文庫

清武英利

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062816090
ISBN 10 : 4062816091
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

第36回講談社ノンフィクション賞受賞作

「俺たちで決着をつけよう」
会社の消滅時に、最後まで意地を貫いた社員の物語

負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言います。戦場に最後まで残って味方の退却を助けるのです。
四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表したのは、1997年11月のことでした。店頭には「カネを、株券を返せ」と顧客が殺到し、社員たちは雪崩を打って再就職へと走り始めます。
その中で、会社に踏みとどまって経営破綻の原因を追究し、清算業務に就いた一群の社員がいました。彼らの一部は給与も出ないまま、「しんがり」を買って出て、無一文に近い状態になっています。この中心にいたのは、会社幹部に裏切られながら業務の監査をしていた人間たちで、証券会社では「カネを稼がない、場末の連中」と陰口を叩かれていた人々でした。
山一證券の破綻を、記者会見で号泣した社長の姿とともに記憶している方も多いことでしょう。「社員は悪くありませんから!」という絶叫でした。
社長までが泣く、その大混乱にあって、「しんがり」の彼らはなぜ筋を通そうとしたのでしょうか。逆襲なのでしょうか、意地でしょうか、優しさなのでしょうか。
山一が消えたあとも、彼らは不器用な人生を送っています。しかし、決して不幸ではないと言います。「会社の破綻なんて人生の通過点に過ぎないよ」「潰れたって、何とかなるんだ」と。
一生懸命生きていれば、きっと誰かが見ていてくれる。――そんな彼らのメッセージは、どんな会社が潰れても不思議のない、リスク多き時代を生きる人々の励ましとなるのではないでしょうか。

【著者紹介】
清武英利 : 1950年宮崎県生まれ。立命館大学経済学部卒業後、75年に読売新聞社に入社。青森支局を振り出しに、社会部記者として、警視庁、国税庁などを担当。中部本社(現中部支社)社会部長、東京本社編集委員、運動部長を経て、2004年8月より、読売巨人軍球団代表兼編成本部長。「清武の乱」直後の2011年11月18日、専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行を解任される。現在はジャーナリストとして活動。著書『しんがり―山一證券最後の12人』で2014年度講談社ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 遥かなる想い

    第36回(2014年)講談社ノンフィクション賞。 1997年破綻した 山一証券に残り、真相究明と 清算処理を続けた人たちの物語である。 総会屋への利益供与、粉飾決算、簿外債務、 法人営業の暴走..次々と明らかになる真実は まるで 物語を読むようである.. 「1998年3月31日の全員解雇の日」が心に 刺さるような本だった。

  • yoshida

    1997年11月、四大證券の一角と言われた山一證券が、多額の簿外債務により自主廃業を発表。会社更生法申請は許されず、完全に倒産する事を意味する。なぜ山一證券は倒産に至ったのか。そして役員や従業員が去り行くなか、「社内調査報告書」を作成し、山一證券破綻の「しんがり」となった業務監理本部の必死の働きを描く。私が大学生の頃に山一證券は破綻し野澤社長の会見を見た。本作は経済小説としての見方や、企業人としての見方もでき、実に面白い。山一證券が簿外債務を膨らませた背景。官民癒着の構図。嘉本達の矜持。実に読ませる作品。

  • 佐々陽太朗(K.Tsubota)

    山一証券が破綻したのは1997年。当時私は38歳であった。その頃の私ならこの本をどう読んだだろう。興味の持ち方と強さが違っていたのではないかと思う。今、仕事で株主総会や財務、コンプライアンスに少なからずかかわる立場にあって、この本に書かれていることの意味は重い。全て実名で記載されているのも衝撃だ。ほとんど夜を徹して読み切った。眠気も吹っ飛ぶほどの内容だった。すごい。

  • のっち♬

    破綻後の山一證券に残り内部調査と清算業務を担った業務監理本部。「一文の得にもならない事実解明と公表を土日返上、無制限残業で続ける」理不尽に挑む律儀で志操高いサラリーマンの描き方は『会社葬送』に比べドラマチックかつ勇壮な色合いで、殺人や病が降りかかる中で百日以内に債務隠しの全貌を暴くサスペンスと相乗効果を発揮。用語や破綻機序の説明も端的で社会派として実に魅力的。後年浮上した営業暴走や副社長左遷からも隠蔽体質の深刻さが伺える。"貧乏くじ"ではなく転じることを怖れなくなった"人生の通過点"と振り返る余韻が爽快。

  • milk tea

    自主廃棄になって19年。ドラマを見てから、図書館本が回ってきた。本の方が臨場感あり。大企業の倒産、なかでも銀行や証券など金融会社がそうなるとは誰も思ってなかった。日本の終身雇用や年功序列時代が終わったのもこの頃。山一證券マンは、廃業に至った経緯を知りたかったはず。これを解明してくれたのが、しんがり12人。野澤社長、通院の毎日とありましたが、お元気でしょうか?副隊長菊野さん、実にカッコよかったです。

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