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日本語と日本語論

池上嘉彦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480090904
ISBN 10 : 4480090908
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2007
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」という『雪国』の冒頭を、ある訳者は“The train came out of the long tunnel into the snow country.”と訳した。英語表現では汽車が焦点となるが、私たちは描かれざる主人公をイメージする。ここで「主客合体」の状況が起きるのだ。本書では、さまざまな日本語話者好みの表現を取りあげ、その背後にある「こころ」の働きに目を向ける。主観性や主語の省略現象、複数表現、「モノ」「トコロ」を軸とした事態把握などから、「日本語らしさ」とは何かが解き明かされる。認知言語学の第一人者が洞察する、日本語の本質。

目次 : 第1部 日本語と日本語論(外から見た日本語・内から見た日本語/ 「談話」としての日本語「人」論と日本語「人」論批判/ 言語類型論と言語の「類型」 ほか)/ 第2部 「モノ」と「トコロ」―その対立と反転(「有界的」な「モノ」と「無界的」な「トコロ」/ 「無界性」と「部分」・「未完了」/ 「トコロ」の二面性と「身体性」 ほか)/ 第3部 日本語の主観性と主語の省略(ラガナ氏の戸惑い/ 主語の「省略」ということ/ 主語の「省略」と美意識 ほか)

【著者紹介】
池上嘉彦 : 1934年京都生まれ。東京大学文学部人文科学研究科(英語英文学専攻)修了。フルブライト留学生として、イエール大学で言語学博士号取得。フンボルト財団研究員としてハンブルク大学、Longman Research Scholarとしてロンドン大学で研究。昭和女子大学大学院文学研究科教授、東京大学名誉教授。ミュンヘン、インディアナ、ロンドン、チュービンゲンの各大学、北京日本学研究センターなどで教授経験(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • isao_key

    日本文と英文、独文との構造から違いを明らかにする。英語には'one,two,three'という<基数>に対する'how many?'という疑問詞はあるが、'first,second,third'という<序数>に対応する疑問詞はないという。wideの基本的な意味は<幅が広い>ということなので'a wide highway'や'a wide river'は自然の表現であるが'a wide room'や'a wide stadium'は横長の形をしているというならよいが、面積の広さを言っていることにはならない。

  • ami

    認知言語学の本。「日本語とは○○な言語だ。」というフィーリングに騙されないようにするためには良い。

  • 朝霧

    度々何のための議論なのかわからなくなるが、おもしろい。話題(topic)と場〈トコロ〉(topos)の関係。

  • しょ〜や

    大変難しかった。しかし、言語の変遷で出てきた〈トコロ〉とか〈モノ〉などの考えは興味深いものだった。

  • 松竹バイバイ

    内容的には堅く、読むのもしんどいのだけれど、学問的トリビアみたいのをいくつか知れて、人に話すのが楽しかった。言語学の宿命なのか、どういったアプローチが可能かという議論が100ページぐらい繰り返される。死ぬほどつまらないけれど、手段を誤らなければ、文化のかなり深い所にある真髄に迫れるのが面白いところ。読み終えると満足感。

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