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春日井建 コレクション日本歌人選

水原紫苑

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784305709134
ISBN 10 : 4305709139
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2019
Japan

Content Description

「われわれは一人の若い定家を持つたのである」と三島由紀夫にいわしめた建の生涯を追う。『未青年』を超える世界が現れた最終歌集『朝の水』を読んだら、三島はなんというだろう。

目次 : 大空の斬首ののちの静もりか没ちし日輪がのこすむらさき/ 童貞のするどき指に房もげば葡萄のみどりしたたるばかり/ 海鳴りのごとく愛すと書きしかばこころに描く怒涛は赤き/ ミケランジェロに暗く惹かれし少年期肉にひそまる修羅まだ知らず/ 火祭りの輪を抜けきたる青年は霊を吐きしか死顔をもてり/ 狼少年の森恋ふ白歯のつめたさを薄明にめざめたる時われも持つ/ 火の剣のごとき夕陽に跳躍の青年一瞬血ぬられて飛ぶ/ 行き交へる男女が一瞬かさなれるはかなき情死をうつす硝子戸/ ヴェニスに死すと十指つめたく展きをり水煙りする雨の夜明けは/ 両の眼に針射して魚を放ちやるきみを受刑に送るかたみに〔ほか〕

【著者紹介】
水原紫苑 : 1959年神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。86年、「中部短歌会」に入会。以後、春日井建に師事。89年、第一歌集『びあんか』により第34回現代歌人協会賞受賞。第三歌集『客人(まらうど)』で第1回駿河梅花文学賞受賞。第四歌集『くわんおん(観音)』で第10回河野愛子賞、第七歌集『あかるたへ』で第5回山本健吉賞・第10回若山牧水賞、17年、「極光」30首で短歌研究賞を受賞。18年、『えぴすとれー』で第28回紫式部文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ハルト

    読了:◎ 苛烈な修羅を胸に飼っていたような短歌。その若さと死のそそけだつ激しい没頭と美しさが特徴的でした。

  • den55

    短歌とその作者を巡るシリーズ物の1冊。内容的には非常に優れている。三島由紀夫から激賞されたという今は亡き春日井建について語るのに直弟子・水原紫苑以上に相応しい人はいない。師の短歌とその人生を深く理解し愛情と尊敬の念で紹介されていく。その理解は半端なものではなく深く語るところは広範囲でもある。 私には建のジェンダーの部分が避けたいところではある。その部分の解説なども紫苑は非常に上手でくどさがない。このようなことを書けば「春日井建」その人を受け入れてないと批判を受けそうだ。

  • garyou

    俵万智の『短歌をよむ』に一度やめてまた歌をはじめた歌人の例の一人として名前があり、興味を持って読んだ。歌集『未成年』に取られた歌は確かにちょっとぎょっとするほど印象的で、それ故に続けていてもいずれこの形式からは離れ、また違った趣の歌を作るようになっていただろうことは想像がつく。短歌を読むっておもしろいな、刺激的だな、と思える一冊。コレクション日本歌人選からは『源実朝』につづいて2冊目。ほかの歌人の本も読みたい。

  • dyunach

    春日井建の生涯を飲み込んでから、その初期の短歌を見ると更に眩しく彩度を増してそれはそれは痛みを感じるほどの青さだと思う。

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