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改訂版 桜は本当に美しいのか 欲望が生んだ文化装置 平凡社ライブラリー

水原紫苑

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582768534
ISBN 10 : 4582768539
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2017
Japan

Content Description

桜の花を特別に美しいと感じるのはわたしたちにとって自然の情緒なのか、そのように刷り込まれただけではないのか。記紀・万葉から今世紀の桜ソングまでを取り上げ、これまであえて誰もふれえなかった問い=タブーに果敢に挑んだ異色の日本文化論。近現代の章を改訂した決定版。

目次 : 初めに桜と呼びし人はや/ 『万葉集』と桜の原型/ 『古今集』と桜の創造/ 『枕草子』と人間に奉仕する桜/ 『源氏物語』と桜が隠蔽するもの/ 和泉式部と桜への呪詛/ 『新古今集』と桜の変容/ 西行と桜の実存/ 定家と桜の解体/ 世阿弥と桜の禁忌/ 芭蕉と桜の記憶/ 『忠臣蔵』と桜の虚実/ 『積恋雪関扉』と桜の多重性/ 『桜姫東文章』と桜の流転/ 『春雨物語』と桜の操/ 宣長と桜への片恋/ 近代文学と桜の寂寞/ 近現代の桜の短歌/ 桜ソングの行方

【著者紹介】
水原紫苑 : 1959年、横浜生まれ。早稲田大学大学院仏文学専攻修士課程修了。歌人。春日井建に師事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • sheemer

    1987年のアニメ「源氏物語」を見て、六条御息所を象徴した桜の扱いに違和感を認め(自分の知る限り源氏物語ではそのような扱いも桜自体もあまりでてこない)桜の美意識がどう展開して来たかを調べて引っかけた本。万葉では農耕呪術的、古今集になり王朝文学的な美の記号となり、西行・新古今で王朝の終りと共に観念として詠まれ始め、江戸の国学を経て戦前に武士道から国家主義と結びついたこと、現代では薄味の自我と結びつきつつ自由になってきているが、いつまた国粋と結びつくかを懸念している。文章が白洲正子的にくっきりしていい感じ。

  • harukawani

    「桜は本当に美しいのか」という題名通りの問いから、記紀、万葉集、古今・新古今、古典から現代の桜ソングまでを取り上げ、文芸において桜がどのような役割を演じさせられてきたかが論じられている。問いに対する解答は明確にされず、なかば強引な持論への持っていき方に不満もある。ただ、短歌や古典のことを知らないでも、興味深く読むことはできた。桜に関しては僕も思うところがある。あの儚い薄紅色に魅せられ人が集まることに、毎年なぜか怖さを感じているが、それは逆に「桜は本当に美しい」ことの証左なのかもしれない。

  • takao

    ふむ

  • den55

    我が偏愛する短歌人、水原紫苑の桜にまつわる短歌史、文学史。非常に面白い。恐れを感じさせる古代の桜から万葉集を経て紀貫之編の「古今和歌集」が語られる。それを「絶対的な王権による美の創造」だったと語る。古来の山中にあって恐れを抱かせる桜ではなく・・貫之の「かな序」がその宣言だったとは、どこの教科書にも書いてないことであった。次第に桜は山中から宮中へ下り、市井のものとなる。それは帝の政治なのであり、権力が介在するものであった。以下、日本史を辿りながら桜と文学が語られる。著者が思いの外反戦、アンチ安倍的で驚く。

  • Hiroki Nishizumi

    表題が上手い。美学についてかと思ったが、ひたすら短歌、それも桜信仰に傾倒している様子だった。花は花として擬人化せずに愛でようと感じた。

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