Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

• 無識者

  読了日：2016/07/31

  基本権を下より進みて此をとりしものを快復的民権。君主宰相の恵与ものを恩腸的民権とする。自由民権運動、大正デモクラシーと基本権を快復的に獲得していった部分もあったが限定的であった。政治運営に関わる国家への自由は一定獲得したが男子普通選挙と同時に公職選挙法や治安維持法が成立した。国家からの自由まではいたらなず、アウトサイダーは許されなかった。

• ヤギ郎

  読了日：2018/04/11

  おもしろい一冊だ。比較法のようなアプローチをとりながら，日本の法体系，特に憲法の理論的整理を行っている。（そもそも，日本の法律は外国由来のものが多いので，外国の記述が多いのは仕方がない。）フランス・ドイツ・アメリカ・イギリスとそれぞれの法体系や人権の理解を紹介しており，そこでしっかり法典にあたっているのは素晴らしい。国法学は，即戦的な法学ではないが，法学を理解するための土台となっていると思う。何度も読みたい。

• 無識者

  読了日：2015/07/14

  再読したい本。おそらく実務的な勉強にはあまり向いてないかもしれないが、人権というものの形成に興味がある場合役立つ。また公が自由を確保するのにどの程度踏み込むことができるのだろうと考えさせられた。

• D.Okada

  読了日：2014/01/14

  何冊か憲法の本を読んできたけれど、本書は特徴的。細かい条文の解釈とか学説とかを列挙するのではなくて、ある種の「理念型」を提示した上で検討がなされているので、副題は「人権原論」だけれど、「人権の思想史」と言ってもいいのかもしれない。 独占の「自由」に対する「公序」の強制によって創出された、独占形成の傾向を内包する「市場」に対して、公序を強制し続けることによって、「自由」な「市場」を回復・維持するとして、市場の独占についての思考枠組みを、労働市場、メディアに転用するのも、筆者の独特な観点かと思う。

• ただの人間

  読了日：2020/05/03

  憲法記念日に一気に読了(もちろんもっと前に読んでおきたかったが)。「人権」という言葉の持つ、あるいは持たされてきた意味を徹底して自覚的に精緻に分析する第一部は、広く言葉の意味の整理を試みるにあたっての模範とすることができるように感じた。それ以外の叙述も、トクヴィル=多元主義、ルソー=一般意思モデルの対置や国家による個人の中間団体からの解放など、樋口憲法学の考え方を前面に押し出しつつ主に英米独仏を視野に入れた考察を行なっており、非常に読み応えがあった。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します