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はたらかないで、たらふく食べたい 増補版 「生の負債」からの解放宣言 ちくま文庫

栗原康

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480437204
ISBN 10 : 4480437207
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
栗原康 ,  

Content Description

「おまえは使えるなといわれてホメられたらすこしはうれしい。だけどそんなことをしていたら死ぬまでこきつかわれてやりたいこともできやしない」。使える奴隷よりも、囲われた家を捨て、野に放たれた豚になりたい。高群逸枝、伊藤野枝、一遍上人、幸徳秋水、イソップ物語…。呪縛から解放される爆笑社会エッセイ。豚はわたしだ!文庫化にあたり約50頁増補!

目次 : キリギリスとアリ―はたらくこと馬車馬のごとく、あそぶこと山猿のごとし/ 切りとれ、この祈る耳を―耳切り一団/ 3・11になにをしていたか?―とうとう江戸の歴史が終わった/ 豚小屋に火を放て―伊藤野枝の矛盾恋愛論/ 甘藷の論理―うまい、うますぎる!/ 地獄へ堕ちろ―ヘイトスピーチか、それともスラムの念仏か/ 他人の迷惑かえりみず―心得としての高野長英/ お寺の縁側でタバコをふかす―大逆事件を旅してみれば/ 豚の足でもなめやがれ―もののあはれとはなにか?/ 大杉栄との出会い―赤ん坊はけっして泣きやまない/ ヘソのない人間たち―夢をみながら現実をあるく/ 反人間的考察―歴史教科書としての『イングロリアス・バスターズ』/ 豚の女はピイピイとわめく―老荘思想の女性観/ だまってトイレをつまらせろ―船本洲治のサボタージュ論/ シカ人間の精神―危機のときほど、遊んでしまえ/ 魂をたがやすな―超絶!悶絶!沖縄旅行/ はたらく女性は、方向音痴―地図はなくても歩いてゆける/ ほどこしをしたら、こん棒でうて―プレゼントの思想

【著者紹介】
栗原康 : 1979年埼玉県生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はアナキズム研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • どんぐり

    〈豚小屋に火を放て〉〈豚の足でもなめやがれ〉〈豚の女はピイピイとわめく〉〈だまってトイレをつまらせろ〉など、ずいぶんエキセントリックなタイトルが連なる。それもそのはず、このエッセイを書いているのは、『村に火をつけ、白痴になれ――伊藤野枝伝』のアナキズム研究者である。「好きなときに好きな本を読みたいとか、だれの目も気にせずに好きなことを書きたい」と夢見て(?)高等遊民への道を探しているらしい。人の生き方だからどうでもいいけれど、〈はたらかないで、たらふく食べたい〉を可能にしてくれる秘策があるわけでもない。→

  • FNS歌謡祭そっくりおじさん・寺

    この本、既に単行本を読んでいたのだが、文庫化にあたり50ページ増量プラス早助よう子の解説付きという事で問答無用で購入した。栗原康さんの本は好きだが、この本はとりわけ好きな一冊である。中身が軽いようでしっかり味がある。書名が挑発的なタイトルに思えるのは、まだまだ私が資本主義の有用性に毒されているから。昨今のコロナ禍でつくづく身にしみたが、人間には生存権があり、その一点で生きていていいのだ。食べていいのだ。補助金も生活保護も大いに貰えば良いのだ(不正は駄目よ)。早助よう子の小説も近いうちに読みたい。お薦め。

  • pirokichi

    著者はアナキズム研究者。以前NHKのBSの番組でお見かけしたことがあったのだが、まさかこのような真っ裸な勢いのある文章をお書きになるとは。ビックリ。本書は古本屋で他の本を抜こうとして落としてしまい、カバーが少し破れてしまったので仕方なく買ったのだが、買って読んでよかった。アナキズムについて、むずかしいことをさまざまな身近な出来事に落とし込んでやさしくおもしろおかしく教えてくれる。絶対あんな風には生きられないけど、どこか心の片隅に、本書で得たことばを、衝撃を、置いておきたい。時々取り出して自分を励ましたい。

  • tsu55

    アナキストというと、なんだか怖い人というイメージを持っていたが、この青年は、ヘラヘラヒョロヒョロしながら、閉塞感に覆われた世間に風穴を開けようとしている。なんだかおもしろい。 そういえば僕も若いころは高等遊民にあこがれていたが、いつにまにか奴隷根性が染み込んだ爺になってしまたなと。しみじみ……。

  • 猫丸

    もはやブレイクしたと見ていいであろう、栗原康のエッセイ集。170cm,50kgの「むやみによわい」体躯(じつは僕もほぼ同じ)から繰り出す変幻自在な真の逃走論だ。そろそろ常勤ポストを提示する大学が出てくるだろう。収入も安定する一方で余計なしがらみが増えるかもしれない。敵も現れる頃だ。それでも負けずに無茶苦茶言ってほしい。論旨の整合性なんか気にするな。誹謗中傷も激化するだろうけれど、負けないでほしい。というか議論のテーブルにつかなくていい。大丈夫だとは思うが、ちょっと心配である。これ完全にファン心理だな。

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