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一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル

東浩紀

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062173988
ISBN 10 : 4062173980
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2011
Japan

Product Description

夢を語ろうと思う。未来社会についての夢だ。

日本発の新しい民主主義
民主主義は熟議を前提とする。しかし日本人は熟議が下手だと言われる。(中略)だから日本では二大政党制もなにもかもが機能しない、民度が低い国だと言われる。けれども、かわりに日本人は「空気を読む」ことに長けている。そして情報技術の扱いにも長けている。それならば、わたしたちは、もはや、自分たちに向かない熟議の理想を追い求めるのをやめて、むしろ「空気」を技術的に可視化し、合意形成の基礎に据えるような新しい民主主義を構想したほうがいいのではないか。そして、もしその構想への道すじがルソーによって二世紀半前に引かれていたのだとしたら、そのとき日本は、民主主義が定着しない未熟な国どころか、逆に、民主主義の理念の起源に戻り、あらためてその新しい実装を開発した先駆的な国家として世界から尊敬され注目されることになるのではないか。――<本文より>

18世紀のルソーの見た夢が現代社会で実現する!
グーグル、ツイッターなど、人々の無意識を可視化する情報技術を使い賞味期限が切れつつある民主主義の組み替えへ――。政治の新たな可能性を拓く大胆な構想。

Content Description

民主主義は熟議を前提とする。しかし日本人は熟議が下手だと言われる。だから日本では二大政党制もなにもかもが機能しない、民度が低い国だと言われる。けれども、かわりに日本人は「空気を読む」ことに長けている。そして情報技術の扱いにも長けている。それならば、わたしたちは、もはや、自分たちに向かない熟議の理想を追い求めるのをやめて、むしろ「空気」を技術的に可視化し、合意形成の基礎に据えるような新しい民主主義を構想したほうがいいのではないか。そして、もしその構想への道すじがルソーによって二世紀半前に引かれていたのだとしたら、そのとき日本は、民主主義が定着しない未熟な国どころか、逆に、民主主義の理念の起源に戻り、あらためてその新しい実装を開発した先駆的な国家として世界から尊敬され注目されることになるのではないか。

【著者紹介】
東浩紀 : 1971年東京生まれ。哲学者・作家。専門は現代思想、表象文化論、情報社会論。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。東京工業大学世界文明センター特任教授。早稲田大学文化構想学部教授。2010年に合同会社コンテクチュアズを立ち上げ、現在同社代表、同社発行の『思想地図β』編集長。『存在論的、郵便的』(新潮社)で第二一回サントリー学芸賞受賞、『クォンタム・ファミリーズ』(新潮社)で第二三回三島由紀夫賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • おさむ

    良質の哲学書。複雑化した現代社会では「選良が大衆を啓蒙する」構図に限界が来る。SNS等ソーシャルメディアで可視化される無意識こそが、ルソーが社会契約論で示した一般意志。ITを活用して全市民が政策決定に参加する新しい熟議民主主義と個人情報を収集分析して最適解を数理的に決めるデータベース民主主義を組み合わせていく。ぼんやりしていた近未来がシャープに見えてきました。

  • 翔亀

    【民主主義なう2】これは興奮した。例えばSTAP細胞が本当に存在するのか素人には全く理解不能なように、余りに複雑化専門化した現代においてルソーが夢に描いたような民主主義は可能なのか。圧倒的な構想力で21Cのありうべき国家と社会の姿を描く。実は途中までは、グーグルで直接民主主義を実現するなんて安易すぎないかと思っていが、アーレントやローティに至る政治思想史を解り易くかつ正確にたどりながら、最後に至り政治や国家の意味を逆転させ見事なビジョンを示す。SF的な驚愕とアクティブな革命的思想が示され強力にお勧め■99

  • めっし

    現在の選良民主主義で感じる「伝わってない」感(政治家が「民意」とか「国民のため」とか言うたびに不快感を覚えるズレのようなもの)に対して、あきらめるのではなく、正面からぶつかった内容。一方で、盛り上がる楽観的なネット民主主義にもブレーキをかける。熟議型と無意識型の葛藤の中で進んでいく新しい民主主義の世界像。読み終えて、新しい視点(もやもやとして形になっていなかったものに輪郭)を得た気持ち。各章、個別に知的刺激を受けたことを挙げればキリがないが、「アイロニスト」でありたいと思った。

  • るんるん

    「熟議」の行き詰まりと打開策を、ルソーの「社会契約論」など様々な思想から紐解く。SNSで流れる一般人の自由な感情がプロ集団の論理を抑制する、会議を動画中継する、理念よりも動物的感情への意識は各コミュニティ間の隔たりを修復する等、筆者の提案は興味深い。そういえば、たまに、分野別知識人の主張には同意しない者への罵倒を感じることがある。あれは他者への憐れみや想像力が不足しているのだな。暮らし向きが窮屈になっていきませんように。一般人として職業人としてインターネットが発達した社会を生きる指南本のように感じました

  • けんとまん1007

    非常に面白く読めた。知的刺激に溢れている。今という時代だからこその本なのかもしれない。全体意思と一般意思という対比が、ある意味、とてもわかりやすくて、的確な表現だと思った。もちろん、原語と日本語訳された言葉では、微妙なニュアンスの違いはあるだろう。ただし、これは文化や歴史の違いもあるので、致し方ない。今の時代のグーグルに代表される動き・視点も、こういう見方をすると、いろいろ見え方も違ってくる。それをどう扱うかが、生き方にも影響する時代になってきたのだ。

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