Books

「ヤングケアラー」とは誰か 家族を 気づかう 子どもたちの孤立 朝日選書

村上靖彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022631213
ISBN 10 : 402263121X
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「ヤングケアラー」とは、身体的介護や家事労働をする子どもである前に、家族を気づかう子どもなのだ。覚醒剤依存の母親を、「守ってあげないとな」と想う小学生の少女。自分が学校にいる間に母親が緊急入院し、「すごい申し訳ない」と罪悪感を募らせる男子中学生。うつ病で過量服薬を繰り返す母親による束縛に苦しみながらも「心配で寝れない」と学校に行けなくなる女子中学生…。ヤングケアラーという言葉が子どもをラベリングする“記号”として流通し問題が可視化される一方で、親が責められないようにと沈黙し、孤立が深まる子どももいる。その経験や想いは複雑だ。本書は、当事者の語りのディテールを掘り下げ、当人の視点からヤングケアラー像を浮かび上がらせていく。困難の本質を明らかにすることで、地域に根差した居場所と、家族を包括する伴走型支援の必要性が見えてくる。

目次 : 序章 「ヤングケアラー」への問いと出会う―家族を“心配する”子どもたち/ 第1章 兄の身代わりで空っぽになる自分―長期脳死の兄と麻衣さん/ 第2章 言えないし言わない、頼れないし頼らない―覚醒剤依存の母親とAさん/ 第3章 気づけなかった罪悪感と「やって当たり前」のケア―くも膜下出血の母親とけいたさん/ 第4章 通訳すると消える“私”―ろう者の母親とコーダのEさん/ 第5章 理不尽さと愛情―覚醒剤依存の母親とショウタさん/ 第6章 母親の所有物―うつ病の母親とサクラさん/ 第7章 学校に行かせてくれた「居場所」―失踪した母親、残された弟と無戸籍の大谷さん/ 第8章 “記号”が照らす子ども、“記号”から逃れる子ども/ 終章 孤立から抜け出すためのサポート

【著者紹介】
村上靖彦 : 1970年東京都生まれ。大阪大学人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点(CiDER)兼任教員。2000年、パリ第7大学で博士号取得(基礎精神病理学・精神分析学)。13年、第10回日本学術振興会賞。専門は現象学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ネギっ子gen

    【子どもとして生きることは実はとても困難な「事業」であり、子どもとは極めて複雑な存在】<「ヤングケアラー」とは、家族にケアを必要とする人がいるために、本来大人がすると想定されているような家事や家族の世話などを行っている18歳未満の子どもや若者を指す言葉。by澁谷智子>。わたしは著者が、<“あいまいな部分が持つ重要性と複雑さ”にこそ本書では焦点に当てていきたい。本書は“労働以外のあいまいな部分を、生活のディテールのつながり合いを発見しながら描く”ことを目的としている>と宣言していることを、高く評価したい。⇒

  • ゆうき

    最近よく耳にする『ヤングケアラー』病気の家族の為に介護や家事をしている子供たち。という認識だったがこの本では、いろいろな家庭環境に置かれた子供たちの事が当事者の言葉で書かれていた。全ての子供たちが安全安心の中守られ、学び、遊び、生活出来る当たり前の権利を私たち大人が考えサポートする必要性を感じた。

  • みき

    本書では、現象学的方法によって、ヤングケアラー当事者に対するインタビューをもとに、その存在を紐解こうとする。ヤングケアラーを単に虐待された子供と判断するのは、あまりにも単純に物事を捉えすぎていたということがわかった。彼らは置かれた環境の中で、自分自身を位置づけ対応力を身につけて、経験に意味づけをしようとしている人もいる。子供の権利を主張して、ケアする子供とその親を引き離すことを正義とするのは、安易すぎる考えだとわかる。それから、現象学という方法は、研究をするその人の経験さえ、含まれた結果を産むと感じた。

  • せい

    大阪・西成区のこどもの里というNPOがつくる地域コミュニティに支えられた子どもたちや、ろう者に関係するNPOに居場所を見出したコーダの方など、何かのコミュニティが支えとなってそれぞれの困難を乗り越えられたヤングケアラーたちのナラティブを紐解いた質的研究の話。平常時から繋がるコミュニティがシームレスな支援やピアサポートを可能にしていくというのはヤングケアラー支援への一つの解答だけど、西成区とか山谷みたいなそういう志のあるNPOが多く集まっている所以外だと難しそうだと思う。

  • takao

    ふむ

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items