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オリンピックと万博 巨大イベントのデザイン史 ちくま新書

暮沢剛巳

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480071163
ISBN 10 : 4480071164
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2018
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

二〇二〇年東京オリンピックの、メインスタジアムやエンブレムのコンペをめぐる混乱。それは、巨大イベントの開催意義について再考を迫る契機となった。そもそもオリンピックとデザインは、密接な関係にある。一九六四年東京オリンピックでは、日本のデザイン界が総力を結集し、各分野が連携を図り、統率のとれたデザインポリシーが展開された。その延長上に、一九七〇年大阪万博でもデザインポリシーは発揮されることになる。本書では、戦後に「デザイン」という概念が定着していく過程から説き起こし、五輪と万博という巨大国家プロジェクトのデザインと、そこに貢献した丹下健三、亀倉雄策らの群像を追う。

目次 : 第1章 世界デザイン会議から東京オリンピックと大阪万博へ/ 第2章 「国民的」建築家―丹下健三/ 第3章 グラフィック・デザインという戦略―亀倉雄策/ 第4章 デザイン・ポリシーによる統率―勝見勝/ 第5章 原子力の一九六〇年代―岡本太郎/ 第6章 マルチプロジェクション―観客から群衆へ/ 第7章 万博パビリオン―「日本館」の系譜/ 第8章 デザイン・コンペ―東京オリンピック二〇二〇エンブレムと新国立競技場

【著者紹介】
暮沢剛巳 : 1966年青森県生まれ。美術・デザイン評論。東京工科大学デザイン学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 鉄之助

    戦争のため開催されなかった昭和15年、皇紀2600年記念の万博の入場券が、大阪万博(1970年、約3000枚使用)や愛知万博(2005年、約80使用)でも使用可能のチケットだったとは! 最大のおどろきだった。この年の五輪は「返上」され、万博は「延期」されたものだった。戦前・戦後の万博には「連続性があった」と、著者は強調する。大阪万博の太陽の塔がリニューアルされ内部が再び観覧可能となった現在、また、大阪万博の「進歩と調和」がスポットライトを浴びている。この問題を考えるヒントとなる最適の1冊だ。

  • msykst

    日本に「デザイン」という概念を普及させたのは1960年に開かれた「世界デザイン会議」であり、そこではデザイナーのミッション、とりわけ社会的な責務について確認されたと。1964年の東京五輪と1970年の大阪万博はその概念の実体化をする機会だったと。本書では、丹下健三、亀倉雄策、勝見勝、岡本太郎の4人のスターがどう東京五輪と大阪万博の双方に関わったのかについて、著者の批評的判断を加えつつ、2020年の東京オリンピックの問題点をあぶり出す、というものかと。

  • ネムル

    過去の東京オリンピックと大阪万博における建築・エンブレム・デザインに関わった人物が多く重複しながらも、東京では成功し大阪では迷走。その歴史と経緯を通して、2020年東京オリンピックの迷走っぷりを考察している。実のところ、今度のオリンピックには何一つとして期待してないのだが(いや、隈研吾は……)、以前は代々木競技場からピクトグラム等あらゆるものが突貫でありつつ、なぜ大成功という結果になったのかが気になって仕方ない。

  • 元気伊勢子

    オリンピックもそうだが、万博の方がドタバタだったそうだ。オリンピック、万博がきっかけで日本が変わったと思うと凄いな。今よりもずっとみんな熱狂してたのだろうな。意外だったのが、丹下健三は自宅以外住宅は、手がけてこなかったこと。

  • ぼっせぃー

    「デザイン」「デザイン・ポリシー」という視点で東京オリンピックと大阪万博を繋ぎ、丹下健三、亀倉雄策、勝見勝、岡本太郎という立役者ひとりひとりにフォーカスを当てた2-5章は読み応えがある。しかし、取ってつけたような6.7章から、2020オリンピックのエンブレム&国立競技場騒動を扱った8章にかけて、筆者の私見の割合が多くなるにつれその陳腐さにちょっと冷めてしまう。勝見勝における1964年の成功と1970年の失敗や、太陽の塔とエキスポタワーというシンボルタワーの交代劇のくだりなど本当に面白かったのだが……。

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