Product Details
ISBN 10 : 4525382619
Content Description
近年,ICD-11において「遷延性悲嘆症」が疾患として位置づけられたことに象徴されるように,医療が死別による苦しみに適切に関わることへの関心が高まっています.わが国においても,2022年に「遺族ケアガイドライン」が策定され,医療従事者が遺族ケアに関わるための道筋が示されました.
本書は,死別と悲嘆に関して精神医学的・心理学的な視点から取り上げる本邦初の書籍として,その概念から治療・ケアの実際,事例までを網羅的に解説しました.診断基準や国内外のガイドラインはもちろんのこと、死別と悲嘆に関してこれまでに蓄積されてきた数多くのエビデンスを紹介しています.遺族を支えたいと願うすべての医療福祉従事者に必要な知識が網羅された一冊です.
目次
I 悲嘆の理論と概念
1悲嘆の精神医学の歴史
2悲嘆心理学の歴史的展開
3悲嘆の概念と実態
4悲嘆の概念と関連要因
5悲嘆への対応
6悲嘆について学ぶ
コラム 遺族ケアへの期待
コラム 哀しみの個別性のなかにこそ
II悲嘆の診断とアセスメント
1精神医学と悲嘆の歴史
2遺族が示すさまざまな症状
3心療内科と悲嘆
4生前の家族のリスクアセスメント
5治療が必要な遺族に対するアセスメント・ツール
コラム 膵臓がん遺族の悲しみと遺族ケアの重要性
コラム 死別や悲嘆を調査するときに
III悲嘆の治療とケア
1遺族ケアガイドライン
2薬物療法のエビデンス
3心理療法のエビデンス
4海外の遺族ケアガイドライン
5行動活性化療法
6対人関係療法
など
IV遺族支援の実践
A実践編
1悲嘆支援のエッセンス:すべきこと・すべきでないこと
2トラウマと悲嘆
3患者を亡くしたスタッフへのグリーフケア
4悲嘆とナラティヴ
5主治医・看護師等の非精神・心理専門職が行うグリーフケア
6医師と心理職の連携
など
Bさまざまな立場から
1精神科医・緩和ケア医の立場から
2心療内科医の立場から
3がん看護師の立場から
4精神科看護師の立場から
5心理士の立場から
6助産師の立場から
など
C特別な配慮
1救急における配慮
2自死遺族支援における配慮
3事故における配慮
4災害における配慮
コラム コミュニティベースの遺族ケア・グリーフケア
コラム 彼が生きた意味―続・未完の論文
【著者紹介】
明智龍男 : 名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野 教授。名古屋市立大学病院こころの医療センター長、緩和ケアセンター長。1991年 広島大学医学部卒、国立がんセンター中央病院および東病院精神科・精神腫瘍学研究部等を経て2011年より現職。専門はコンサルテーション・リエゾン精神医学、精神腫瘍学
浅井真理子 : 帝京大学薬学部薬学教育推進センター教授。公認心理師、薬剤師、臨床心理士、博士(心理学)。国立がんセンター中央病院精神科、帝京平成大学大学院、日本医科大学などの勤務を経て現職。専門はサイコオンコロジー、悲嘆、医療コミュニケーションなど
坂口幸弘 : 関西学院大学人間福祉学部人間科学科 教授。悲嘆と死別の研究センター センター長。2001年 大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了、博士(人間科学)。日本学術振興会特別研究員などを経て、現職。専門は臨床死生学、悲嘆学
瀬藤乃理子 : 兵庫県こころのケアセンター研究部 研究主幹。2013年 神戸大学大学院医学系研究科保健学専攻修了。公認心理師。保健学博士。甲南女子大学看護リハビリテーション学部 准教授、福島県立医科大学災害こころの医学講座 准教授を経て現職
松岡弘道 : 国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科 科長。2002年 奈良県立医科大学医学部卒。関西医科大学心療内科、近畿大学医学部腫瘍内科(医学博士)、緩和ケアセンター、豪州UTS客員教授などを経て、2020年より現職。2024年より国立がん研究センター中央病院支持・緩和医療開発部門長、J‐SUPPORT代表を兼任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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