1968年の放送ですが子供の頃再放送で見てかなり衝撃をうけました。30分もので一話完結。警察では解けない不思議な現象や怪奇な事件を追うSRIの活躍を描いた円谷プロの異色ドラマです。かなり怖いです。日本版ﾄﾜｲﾗｲﾄｿﾞｰﾝって感じですが人間の心理的な闇を描いている点で古さを感じさせない怖さがあります。在りし日の岸田森の迫真の演技にも注目！この人もコワい(笑)

全編通して観るとMy Best 1は『人食い我』かな。日本風で鈍くさい007シリーズタッチな展開の面白さと岸田森の目を剥いて演ずる一場面は忘れられない。いちばん奇想天外なのは電話殺人の話、いちばん幻想的スリラーなのは『白い顔』、いちばん怪奇の闇がたち込めているのはあの人形がひと殺しする話だな、いまだに意味不明！今日の快楽犯罪に通ずる『かまいたち』は玄人受けしそう。

白昼夢の映像化。それが現実の葛藤として描かれている面白さがあり。

小林昭二氏は無名の下宿人時代からのちの芸能界における人格者ぶりを思わせる人柄だったという話を実際に縁故のあった親戚から聞きました。怪優岸森氏とともに本作の濃厚さをひき立てています。かのシナトラとドゥエットした経験もあるという勝呂誉氏は、映像に刻印された当時の自分を振り返ってそのカッコ良さに痺れたそうで。

（↓）岸田森でした、間違い。詰め込み過ぎでドタバタ展開し、話の筋がよく飲めないところがまた混迷を極めていた当時の相らしくて良いです。

あとへ行くほどしだいに話がダレてくる。やけにマニア受けしている『京都売ります』の京都シリーズも大したことないし、最終話『雪おんな』に至っては駄作もいいところ。初期での“怪優”岸田 森の鬼気迫る演技、時代背景の暗さ（実際に画像に闇が多い）が売り。

巻中に収められている殺人人形の話は、実行犯の人形も恐いがそれを陰で操っていた正体不明の人形？の得体の知れなさの方がさらに恐ろしい。シュールな悪夢に浸りたいひと向き。

第一話のグロテスクな雰囲気(サイコ)、第二話の岸田森が赤ん坊を毒蛾から救い出す際の迫真の演技(私的最高作)、第三話の映画『ゴケミドロ』風の気味の悪さ、第四話の恐ろしさ(調査中の岸田もおっかない)、第五話の救いようの無い「時代な」暗さ(もう快感！)、どれもよし。もし予算の都合がつかなければこの一巻だけでも買い。

第一話のグロテスクな雰囲気(サイコ)、第二話の岸田森が毒蛾から赤ん坊を救い出す際の迫真の演技(私的最高傑作)、第三話の洋館と風光明媚な湖を背景に綴られる父と娘の逸脱ドラマ(特撮も印象的)、第四話の恐ろしさ(調査中の岸田も恐い)、第五話の救いようの無い「時代な」暗さ(もう快感)、どれもよし。もし予算がつかなければこの一巻だけでも買い。

いわゆる特撮マニアのあいだで最高の評価を得ている作品。実体を伴った白昼夢というか、67,8年の緊迫した時代の空気が伝わる。1話30分間で起承転結を済ませる無理さ加減がいい。