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ISBN 10 : 4766426509
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イギリスと東洋が関係を深めつつあった19世紀末、当時、最先端の都市だったロンドンに留学し、大英博物館リーディング・ルームを主たる舞台として世界各国の辞書や事典を渉猟し、学問的研鑽を積んだ熊楠は、いかにして欧米の学術空間に受け入れられたのか。国際学術誌『ネイチャー』『ノーツ・アンド・クエリーズ』『フラヘン』に376篇もの英文論考を寄稿し、東洋からの知見の提供によって、近代科学の発展を支えた南方熊楠の営為を歴史的・国際的な視点から捉えなおす、気鋭の力作。
目次 : 雑誌の国の熊楠―英文論文三七六篇の意義と価値/ 第1部 『ネイチャー』―近代科学を支えた雑誌という装置(ロンドンでの二つの「転換」―なぜ植物学から離れたのか/ 「東洋の星座」に秘められた戦略―古天文学と比較民族学/ 一九世紀末の『ネイチャー』を読む―先端科学と科学啓蒙のあいだ/ 東洋への関心―日本、中国、インド/ 東洋の情報提供者から世界の探求者へ―そして熊楠の挫折/ 『ネイチャー』からの撤退―変容する雑誌空間)/ 第2部 『ノーツ・アンド・クエリーズ』―ローカルな知とグローバルな知の接合・衝突する場(熊楠と『ノーツ・アンド・クエリーズ』―三四年間の投稿生活/ 質疑応答するアマチュア知識人たち―『ノーツ・アンド・クエリーズ』という世界/ 辞書の黄金時代―『オクスフォード英語大辞典』『エンサイクロペディア・ブリタニカ』を生みだした場所/ 『ノーツ・アンド・クエリーズ』的空間の世界展開―人文科学者たちの見はてぬ夢/ 熊楠は『ノーツ・アンド・クエリーズ』をいかに利用したか―論文執筆の目的/ 熊楠の西洋世界への貢献―その英文論文はいかに利用されたか)/ 国際的知的空間における熊楠の役割と価値―新しい熊楠像へ
【著者紹介】
志村真幸 : 南方熊楠顕彰会理事、南方熊楠研究会運営委員、慶應義塾大学非常勤講師。1977年生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。2001年より南方熊楠旧邸での資料調査に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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