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エイヴォン記 P+d Books

庄野潤三

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784093523851
ISBN 10 : 4093523851
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2020
Japan

Content Description

デイモン・ラニアン『ブッチの子守唄』、ツルゲーネフ『ベージンの野』、チェーホフ『少年たち』、トルストイ『ふたりのおじいさん』など、著者の心に残った珠玉の短編を紹介する「読書日記」の体裁をとりつつ、著者夫婦が暮らす「山の上の家」にやってくる孫娘らとの平穏な日々を綴った心温まるエッセイ。近所に暮らす“清水さん”が季節ごとに届けてくれるエイヴォン、バレンシア、ソニアといったバラや水仙、ヒヤシンスなどの花々が、淡々とした日常にさり気ないアクセントを与えている。『鉛筆印のトレーナー』『さくらんぼジャム』と続く「フーちゃん三部作」の第一弾。

目次 : ブッチの子守唄/ ベージンの野/ エイヴォンの川岸/ クラシーヴァヤ・メーチのカシヤン/ 情熱/ 少年たち/ 精進祭前夜/ 卵/ 蛇使い/ ふたりのおじいさん/ 少年パタシュ/ ふるさと

【著者紹介】
庄野潤三 : 1921年(大正10年)2月9日‐2009年(平成21年)9月21日、享年88。大阪府出身。1955年『プールサイド小景』で第32回芥川賞を受賞。「第三の新人」作家の一人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • こうすけ

    ひさびさの庄野潤三。短編小説を紹介していく読書日記風のエッセイ。という体裁だが、実際は孫娘フーちゃんとのささやかな日常を、庄野タッチでつづっていく。紹介する小説の内容とフーちゃんの話が重なりあう、みたいなこともなく、ただただ異なるふたつの要素が絡まることなく語られる。そこがなんとも潔い。リアルすぎてファンタジーに見えてくる不思議さ。

  • こまっちゃん

    庄野さんの本を読みたびに、ああこの家の子供に生まれたかったと思ってしまいます。なんでもない日常、この上なく平和な生活。

  • Inzaghico (Etsuko Oshita)

    タイトルに出てくる「エイヴォン」とは、庄野宅のご近所さんの清水さんが届けてくださるバラの品種だ。イギリスの地方を流れる川と同じ名前。奥さんがいつも書斎に活けてくれる。最終回の項を書き上げたときに咲き、それを見て「間に合わせて咲いてくれて、有難う」と花にお礼を告げる庄野に、心がじんわりする。お嬢さんの夏子さんの手紙も、無駄な形容詞が一切なく、生き生きしていて、話している言葉そのままのような感情が伝わっていて、相変わらず素敵だ。無駄な形容詞がない、というのは庄野譲りだろう。庄野も華美な表現を嫌い、使わない。

  • たかふろ

    エッセイのような私小説のような語りの合間に、小説のあらすじがぽつぽつ挟まる形式で進む。エッセイが小説の内容とリンクしているわけでもなく、思い出したかのように小説のあらすじに移ったと思ったらエッセイにまた戻ったり、紹介する小説も同じ短編集の中から2回取ったりと自由であまり他にみない構成。エッセイの内容自体も花を貰った話や親戚の子どもが遊びにきた話といったささやかな日常的なものが中心で、その淡々とした語り口がとても好みだった。

  • たわ

    フーちゃんの出てくる「随筆」。庄野さんの作品は小説と随筆の区別が曖昧だが、本作は随筆パートと小説パートを組み合わせた短編を12本集めたもの、というかんじ。各短編でひとつずつ若者向けの小説が紹介されていくのだが、同じ本から2篇選んでみたりとか、このあたりもかなりフリースタイル。小説パートは孫が訪ねてくる話と近所の方が畑で育てた花をくださる話が繰り返される。単調さの中でこそ輝く喜びとでも呼べばいいのだろうか。

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