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万、已むを得ず(仮)

幸田真音

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784569857343
ISBN 10 : 4569857345
Format
Books
Publisher
PHP
Release Date
July/2024
Japan

Content Description

渋沢栄一の孫にして、大蔵大臣として戦後の経済処理にあたった渋沢敬三。彼の人柄とその生涯に著者ならではの視点で迫った傑作長編。

【著者紹介】
幸田真音 : 1951年生まれ。米国系投資銀行等で債券ディーラー、外国債券セールスなどを経て、1995年『小説ヘッジファンド』で作家デビュー。2014年『天佑なり 高橋是清・百年前の日本国債』で第33回新田次郎文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    主人公は渋沢敬三。日銀総裁・大蔵大臣として、戦中・戦後の日本経済の舵取り役を担った人生である。軍備増強にひた走る日本の財政状況や戦後の経済の混乱などがよくわかる。だからこそ、敬三が主導した財産税・預金封鎖・新円切替が、正に「万、已むを得ず」の劇薬であった状況が理解できる。ただ、私たちが渋沢敬三に興味を持つのは、政財界の第一線の人物でありながら、一流の民俗学者だったという二刀流の人生にある。本書は、柳田國男との出会いを含め後者の部分に殆ど触れておらず、敬三の全貌を描くには片手落ちではないかとの不満が残る。

  • PEN-F

    あの渋沢栄一の孫にして、第一銀行副頭取、日銀総裁、財務大臣を歴任した渋沢敬三氏。戦後の国難時において、まさに痛みを伴う改革を断行した精神力は特筆に値する。多くの国民からは恨まれたことだろう。それでもあの当時、軍事債権を湧水の如く乱発し、もやは国家として成立しかねない程の債務を背負い、残された道はそう多くはなかったのだろう。国民にも多大な犠牲を背負わせてしまったが、今の政治家と違うのは渋沢敬三氏自らも全ての資産を投げうった点がすごいと思う。国民に負担を強いておいて自分は無傷という政治家とは一線を画していた。

  • hirokun

    ★3 幸田真音さんの作品を読むのは久しぶり。今回の作品は、渋沢栄一の孫である敬三を主人公にした歴史経済小説。私は渋沢敬三についてはほとんど知識がなく、戦後直後の財産税導入、預金封鎖、新円切替も知識としてはあったが、その背景、導入の経緯・方法について理解することが、今後の政府債務の拡大によるハイパーインフレ発生時の一つの解決方法としての理解が深まった。

  • 星落秋風五丈原

    大河ドラマ「青天を衝け」にも出てきた渋沢家孫敬三の話。大変な時に大蔵大臣までやったんですね。

  • 一笑

    渋沢栄一やその息子ではなく、孫の敬三が主人公。祖父栄一に懇願され図らずも銀行員の道に入る。が、日本は戦争を起こして、そして負けてしまった。敬三は戦後経済立て直しを期待され、日銀総裁や大蔵大臣に担ぎ出される。戦争を描いた作品は数あれど、金融というか財政面から描いた作品は少ないのではなかろうか。財政面から見ても戦争はめちゃくちゃなことがよくる。祖父栄一も凄かったけれど、孫の敬三も栄一に負けないくらいすごかった。池田勇人や福田赳夫・愛知揆一、政界で活躍する人達がみんな大蔵省出身でちょっとびっくり。面白かった。

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