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包む

幸田文

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784061962712
ISBN 10 : 406196271X
Format
Books
Publisher
Release Date
May/1994
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • アナクマ

    つい手にとってしまう昭和30年のエッセイ集。◉枇杷の花_ある日著者の家に “貧しい職人風の小男が おとない“ 、お宅の屋根を直したい、と言う。さてどうするか…は導入で、一年の締め括りに咲くビワの白い花のように、我が身の納まりについて思いを致す幸田51才であった。冒頭からそこまでの物語運びがしみじみ・しっとりと良い。◉道のメモ_しばらく通わなくてはならない難儀な道のりの気重さをどうするか。「文句を云うひまに少しでも道中の楽しくなる方法を考えたほうが利口」だと、乗客観察などを試みたりするという、親しみやすさ。

  • アナクマ

    少額の金の無心にちょいちょい訪ねてくる「あまり感心しない人」との攻防。しかし彼は、玄関から遠く離れたところからこちらに向かってぴょっこりとお辞儀をするのであった(「むしん」)◉大家族の寡婦が長唄まじりの口三味線で機嫌良くお洗濯(55才の手洗いだ)。そこへ孫が、同じことの繰り返しでつまらないと言い放つ。にわかに湧き立つ無常感。「死んだあの人…いっしょに歳をとってくれるものがいれば、こんな情けない気はしまいと…」(「身にしみる日」)◉すきま風が気になる日もあればこそ、陽の温みの有り難さもまた沁みるのだろう。

  • pirokichi

    著者が50歳の頃に書いたエッセイ29篇。「包む」には「心の中にしまいこむ。かくす。おさめる」という意味があるのだと、あらためて気づかされ、いい言葉だなあと思った。「包む」という題の随筆以外でも「包む」という語を見つけるたびハッとさせられた。著者は人の顔に敏感で、人の顔のみならず犬の顔さえ覚え、しかし鶏の顔は見分けがつかなかったというのはいかにも著者らしくて可笑しかった。「蜜柑の花まで」「鱸」「結婚雑談」など、父・露伴とのエピソードは特に印象に残った。解説は荒川洋治さん。

  • 双海(ふたみ)

    季節と詩情が常に添う父露伴の酒、その忘られぬ興趣をなつかしむ「蜜柑の花まで」。命のもろさ、哀しさをさらりと綴る「鱸」、「紹介状」「包む」「結婚雑談」「歩く」「ち」「花」等、著者の細やかさと勁さが交錯する二十九篇。「何をお包みいたしましょう」。子供心にも浸みいったゆかしい言葉を思い出しつつ、包みきれない“わが心”を清々しく一冊に包む、珠玉のエッセイ集『包む』。(カバーより)

  • 第9846号

    世間というものを熟知し、それに距離を取りつつ暮らしを立てる。人と出来事を見つめ表現する、達人の文章。

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