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ISBN 10 : 4065417279
Content Description
宇宙が誕生してから数億年――光を放つ星も銀河もなく、ただ水素ガスが広がるだけの「暗黒時代」が続いていました。そこから、最初の星や銀河が生まれ、宇宙に光が満ちる「再電離期」へと移り変わります。では、その決定的な転換は、いつ、どのように起こったのでしょうか。
その謎を解く手がかりとなるのが、21センチ線と呼ばれる中性水素からの微弱な電波です。陽子と電子のスピンが反転するときに放たれるこの電波は、宇宙に満ちる水素ガスの「声」とも言えるもので、私たちに暗黒時代の記憶を届けてくれます。可視光では見えない宇宙の深淵を、電波という窓から覗くことができるのです。
本書では、21センチ線を用いた観測によって宇宙の黎明を探る研究を、最新の成果とともに紹介します。世界中で進む巨大電波望遠鏡プロジェクト、シミュレーションと理論の挑戦――その先に見えてくるのは、「なぜ宇宙に星や銀河が生まれたのか」という138億年にわたる宇宙進化の謎や問いへの手がかりです。
夜空を見上げる視線が変わる、最前線の宇宙物語。
【著者紹介】
島袋隼士 : 1987年、沖縄県生まれ。雲南大学中国西南天文研究所(SWIFAR)副教授。2011年、東北大学理学部宇宙地球物理学科天文学コース卒業。2016年、名古屋大学大学院理学研究科素粒子宇宙物理学専攻修了(理学博士)。フランス・パリ天文台、中国・清華大学でのポスドク研究員、雲南大学中国西南天文研究所副研究員を経て、2022年より現職。専門分野は観測的宇宙論、特に宇宙暗黒時代から宇宙再電離期の21cm線に関する理論的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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