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反戦と西洋美術 ちくま新書

岡田温司

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480075291
ISBN 10 : 4480075291
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2023
Japan

Content Description

ロシアによるウクライナ侵攻を、報道やSNSで目の当たりにして、私たちはあらためて戦争とその表象の関係性という問題を突きつけられている。何が真実か、誰がどんな立場でどんな意図を持ち発信しているのか。勝者の側で描かれた「戦争画」の時代を経て、十七世紀には現代の「反戦」意識に通じる美術の流れが登場する。その後急速に激甚化する戦争の時代を背景に醸成され、雄弁に、あるいは抑制気味にと、その倫理的・感性的・政治的な役割を巡り、揺れる「反戦」のイメージの変遷を捉えなおす。

目次 : 第1章 戦争の惨禍(平和の訴え/ 外交官ルーベンスの“戦争の結果” ほか)/ 第2章 第一次世界大戦(戦争に駆り出される画家たち/ クレーの反応 ほか)/ 第3章 第二次世界大戦(マックス・エルンストと反ナチ/ ピカソと牡牛 ほか)/ 第4章 ベトナム戦争とその後(ベトナム戦争のイコン/ スーザン・ソンタグの反応 ほか)

【著者紹介】
岡田温司 : 1954年広島県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学名誉教授。現在、京都精華大学大学院特任教授。専門は西洋美術史・思想史。著書『モランディとその時代』(人文書院)で吉田秀和賞、『フロイトのイタリア』(平凡社)で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • trazom

    17世紀、第一次世界大戦、第二次世界大戦、その後(ベトナム戦争など)の4つの時代に分けて、反戦と美術の関係が紹介されている。反戦画家による作品が数多く紹介されているし、ゴヤやドラクロアやピカソの絵の中に反戦の主張が込められているのは事実だが、でも、「反戦」という普遍的な概念に対して、美術の主張は穏やかだったように感じるのは偏見だろうか…。それに対し、最終章で詳しく論じられるように、反戦という観点では、「写真」が大きな力を持っていたことは事実である。感性や想像力に訴えるアートの存在意義を、著者は問うている。

  • Nobuko Hashimoto

    岡田氏の著作は3作目。またしても大変面白かった。西洋美術において戦争や反戦がどう表されてきたかをたどる。文章が読みやすく、著者自身のスタンスにも共感できるので、図書館で借りてすぐ読み始めて、あっというまに読んでしまったが、手元に置いておきたいので発注しよう。新しい時代の作品ほど生で見れていないものが多いかも。どれも見たいな。特にユダヤ人画家ヌスバウムの美術館には絶対行きたい。

  • 風に吹かれて

     ゴヤやピカソといった有名な画家も掲載されているが、ほとんどは初めて知る芸術家たちだった。作品から「反戦」を読み解くのが容易なものから、見ようによっては反「反戦」にもなる作品まで、様々な作品が掲載されている。 芸術作品は人間の歴史を記憶するということにおいて大きな役割を果たしており、鑑賞することで人間の歩みに想いを馳せることができる。また、無残な人間の姿が相手への戦意を高めることもあり、私たちがそもそも戦争をどう捉えているのかということに意を向けることも大切に思う。 →

  • 奏市

    18世紀以降反戦のアートがどのように生まれ変容してきたかを西洋美術に絞り解説した内容。18・19世紀、第一次大戦、第二次大戦、ベトナム戦争・その後の4章編成。別の本でも書いてあったが、第一次大戦がヨーロッパ人に与えたショックは甚大だったと改めてわかる。若者らはむしろ勇んで楽しむ感覚もあり出征したのが近代兵器による殲滅戦の惨たらしさを体感する結果になったと。絵画にもその傾向が如実に出ている。カラー口絵が全部で21有りどれも印象的だが、アルビン・エッガー=リエンツ「フィナーレ」のこの世の終わり感が特に響いた。

  • にたいも

    よく知るアーティストたちの、まだ知らなかった反戦画にたくさん出会えた。膨大な作品が次々と語られるが、なぜこの作品を紹介するかという文脈が明快かつ有意義で読みやすい。〈戦争は、他者ばかりか自分たちにも向けられる暴力にほかならないのだ。その意味で戦争は自殺行為にも似ている。p.96〉〈アートは、「目に見えるもの、語ることのできるもの、思考可能なもの」を新たに提起したり組み替えたりすることで、わたしたちの感性や想像力に訴えて未知の可能性を拓いてくれるものなのであり、それにこそアートの存在意義がある。p.190〉

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