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死の虫

小林照幸

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784120048623
ISBN 10 : 4120048624
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2016
Japan

Content Description

日本の米どころ、新潟・秋田・山形の3県では、かつて毎年夏になると原因不明の病による死亡者が相次いだ。中には数年で、一家全滅の憂き目に遭うケースもあったという。いったい何が死をもたらしたのか。あの北里柴三郎や日本近代医学の父と言われるエルヴィン・フォン・ベルツでさえも解けなかった難問に、自らの命と名誉を懸けて挑んだ日本人医学者たちがいた。熾烈な先陣争い、研究室内での感染と落命、学名命名論争…。誰が最初に病原体の正体をつかむのか。治療法はあるのか。日本医学の金字塔となったツツガムシ病解明をめぐる人間ドラマを描いた本格ノンフィクション!

目次 : 第1章 明治時代―新潟県、秋田県の謎の熱病(死の匂い/ 助べえ虫、エロダニ ほか)/ 第2章 大正時代―謎の熱病は山形県にも(新開病/ 北里柴三郎と福沢諭吉と大隈重信 ほか)/ 第3章 昭和時代 戦前―病原体は新発見の微生物(ウサギによる累代培養とサル問題/ 研究室内での感染と殉職 ほか)/ 第4章 昭和時代 戦後―治療薬の発見と日本各地の有毒地(新たな有毒地/ インパール作戦とツツガムシ病 ほか)/ 第5章 平成時代―科学と感染症(早期診断法の確立/ 有毒の家系と無毒の家系 ほか)

【著者紹介】
小林照幸 : 1968(昭和43)年、長野県生まれ。ノンフィクション作家。明治薬科大学在学中の1992(平成4)年、奄美・沖縄に生息するハブの血清造りに心血を注いだ医学者を描いた『毒蛇』(TBSブリタニカ・文春文庫)で第1回開高健賞奨励賞を受賞。1999(平成11)年、終戦直後から佐渡でトキの保護に取り組んだ在野の人々を描いた『朱鷺の遺言』(中央公論社・中公文庫・文春文庫)で第30回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。信州大学経済学部卒。明治薬科大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ゆいまある

    ノンフィクション。かつて新潟秋田山形で猛威を奮った死の病。ダニが媒介することは知られていたが実態は掴めない。「死の貝」に続き日本の医学界の頭脳が集結し研究に切磋琢磨する。3代かけて発見したのがリケッチア症であるツツガムシ病。ツツガムシも小さいがリケッチアも小さい。光学顕微鏡しか無い時代によくこれを見つけたものだ。抗生物質が発明され今では治療可能となったものの、新型ツツガムシによる感染が増え、診断の遅れから未だに死者が無くならない。私の従妹も死にかけた。国際化により、今後感染症は更に複雑になりそうだ。

  • こなな

    祠、石碑、地蔵、祭り…豊作を願ったものか、豊作は勿論、豊作以前の切なる願いがあったからだった。戦前の新潟・秋田・山形の三県で、毎夏多くの犠牲者を出した謎の風土病。いったい、原因は何なのか?誰が最初に病原体の正体を見つけるのか医学者たちは自らの命と名誉を懸けて挑んだ。ツツガムシ病の病原体、感染経路、病理的変化については日本人の学者によって突き止められたが、治療法はアメリカの協力だった。しかし、治療薬が見つかっても研究は終わりとはならない。ツツガムシの全体的な生活史の把握の研究をも行う。予防策のためだ。

  • つちのこ

    『死の貝』を読んだ勢いで手に取った。病原体リケッチアに起因するツツガムシ病の解明と治療にかけた医学者たちの奮闘劇は、プロジェクトXを見ているよう。そこには名誉欲が渦巻く学名論争もあったりして、ドラマチックだ。ツツガムシ病は今でも全国的に発生しており、決して珍しい病気ではない。私の身内も感染し、高熱と発疹で入院した。本書で少し触れているマダニ感染症も怖い。山登りの後、血を吸って丸々としたヤツが皮膚に食い込んでいるのを見つけ、ピンセットで取ったこともあった。今思うとおぞましいが、リスクは身近に潜んでいるのだ。

  • ちゃま坊

    ツツガムシ病覚書。ずっと新潟、山形、秋田、福島に限局した風土病だと思っていた。でも今では全国で発生する感染症になっていた。河川敷や中州などに生息するツツガムシが人を刺し、病原体リケッチアを感染させる。0.3oくらいのかろうじて肉眼で見えるかどうかのダニ。有効な抗生物質クロマイやテラマイが登場するまでは、死亡率がとても高く恐れられていた。他にウイルス感染症を媒介するダニもいるから、山や草地に立ち入るときは要注意。

  • ひねもすのたり

    日本住血吸虫を扱ったノンフィクション『死の貝』がとても面白かったので手に取ってみました。 本書は扱うのはツツガムシ虫病。主に新潟、秋田の農村地帯で発生していた病気の歴史やそれに関わる医師たちの奮闘が描かれます。 ただ病気の原因がすでにツツガムシだと解っているので『死の貝』と比較するなら、読み物としての面白さはイマイチというのが正直なところです。 本書を読んで多少なりともこのジャンルに興味を持たれた方には『死の貝』おススメです!★4

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