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死の虫 ツツガムシ病との闘い 中公文庫

小林照幸

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122075894
ISBN 10 : 4122075890
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2024
Japan

Content Description

【序章】聖徳太子の国書に書かれた「つつがなきや」
赤虫、島虫、毛谷/聖徳太子の国書と唱歌「故郷」

【第1章】明治時代――新潟県、秋田県の謎の熱病
死の匂い/助べえ虫、エロダニ/虫掘り医者/虫送り/毛谷明神、毛蝨大明神、島虫神社/恙虫病とつつがなきや/米百俵の長岡藩とツツガムシ病/西洋人医師の現地調査と洪水熱/病原体は悪い空気?/陸軍への陳情/北里柴三郎の参上/コッホの4原則とは/日本沙蝨病研究所/毛蝨大明神、ケダニ地蔵、ケダニのお堂コ/「まなぐ凧」と菅江真澄の記録/人体実験/寝台車の連結/虫医者/野ネズミの耳の中に/思わぬ微生物の発見/4つの研究拠点

【第2章】大正時代――謎の熱病は山形県にも
新開病/北里柴三郎と福沢諭吉と大隈重信/病河原/毛谷医者と毛谷地蔵と松例祭/ケダニ退散調伏祈願/銀時計組/台湾でも/日記に決意表明/防虫白衣/「黒髪と 共に浮世の 欲を断ち」/ヴァルシャウ早きか、病原体早きか/顕微鏡で見えるか、見えないか/病理解剖への住民感情/原虫となす所のものは‥‥/冬の有毒地にて/発疹チフスの猛威/新たな病原微生物の発見/ツツガムシの生活史/ツツガムシの新種発見/秋田での出会い/病原体はリケッチアか?/『蛍草』

【第3章】昭和時代〈戦前〉――病原体は新発見の微生物
ウサギによる累代培養とサル問題/研究室内での感染と殉職/学名命名騒動/殉職の悪夢が再び/恙虫病研究所、虫除不動尊/ワクチンの構想/精神科に協力を求める/秋田でのワクチン接種/熱帯衛生必携

【第4章】昭和時代〈戦後〉――治療薬の発見と日本各地の有毒地
新たな有毒地/インパール作戦とツツガムシ病/富士山麓でのツツガムシ病/学名命名論争の決着/治療薬、遂に発見さる/餌は蚊の卵/人知を超えた受精の方法/八丈デング/八丈島の居酒屋で/土佐のほっぱん/七島熱と二十日熱/全国調査の開始/赤い苔/ツツガムシ、息に感ず=^沙蝨/鬼彈/古典型ツツガムシと新型ツツガムシ/カトー型、ギリアム型、カープ型/日本全国で感染例の報告

【第5章】平成時代――科学と感染症
早期診断法の確立/有毒の家系と無毒の家系/学名の変更/感染症法の制定の中で/アカツツガムシは棲息していた /ダニ媒介の新たなウイルスの脅威

【第6章】令和時代――ツツガムシ病と新型コロナウイルス感染症の共通点
パンデミック/アマビエ、黄ぶな‥‥疫病退散祈願の依り代/コロナワクチン登場と押し寄せる波/コロナ収束も願った「善願の虫送り」/世界初のSFTS治療薬/間に合わなかったツツガムシ病の診断

【終章】「つつがなき」「つつがなく」は変わらず
ダーク・ツーリズムとホープ・ツーリズム

【著者紹介】
小林照幸 : 1968年、長野県生まれ。ノンフィクション作家。明治薬科大学在学中の92年、『毒蛇(どくへび)』で第一回開高健賞奨励賞を受賞。99年、『朱鷺(トキ)の遺言』で第三〇回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。信州大学経済学部卒。明治薬科大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 榊原 香織

    戦前、新潟・秋田・山形の風土病と思われてたらしい。 ツツガムシ、というダニに刺されると発病。 私は何故か奥三河の病かと思っていた

  • さつき

    ツツガムシ病という名前は知っていたけれど、どんな経緯で認識され、原因究明され、特効薬が作られたかまるで何も知りませんでした。しかも、今現在もある病気なんですね。なぜか過去のものだと思っていました。マダニによる感染症との類似性も触れられていて読んでよかったです。

  • 流石全次郎

    書籍を知ったきっかけはSNSにおいて、「バッタを倒すぜアフリカへ」の前野ウルド浩太郎先生のつぶやきで紹介されていたこと。明治時代からの研究の歴史絵巻。何人もの研究者と世代を超えても謎が解けない病。研究中に感染して亡くなった研究者。医療、科学のゆるやかな進歩が刻まれた一冊でした。

  • 医師と住民たちの日本住血吸虫症撲滅の闘いを取材した『死の貝』に感動して、『死の虫』も読むことにした。こちらは人間ドラマは控え目。病理研究者たちの派閥争いや、ツツガムシ病と時を前後して研究されたアメリカの紅斑熱やヨーロッパの発疹チフスに言及している。視点がよく変わるので読むのに時間がかかったが、各国の研究により、同時多発的にそれらの病原体が細菌でもウイルスでもない概念のリケッチアと突き止められ、一気に医学が進歩するところが革新とは必然的に起きると実感した。

  • chuji

    久喜市立中央図書館の本。2024年12月初版。初出 2016年6月中央公論新社より刊行されたものの文庫化。加筆・修正。小林さんの著作は「死の貝 日本住血吸虫症との闘い」に継ぎ二作目です。謎の風土病の解明に一世紀以上かかったのでした。北里柴三郎ら医学者の努力の賜物です。

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