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ビブリオフィリアの乙女たち 星海社fictions

宮田眞砂

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065297063
ISBN 10 : 4065297060
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
切符 ,  

Content Description

図書部員の文詠は、本からそれを読んだ誰かの記憶を読み取るサイコメトリーの持ち主。彼女はいつも本が読めない幼馴染の花奏に物語を朗読し、記憶に秘められた謎を解いてもらっていた。あの日、図書館で文詠が遭遇したのは、絵本に遺された“黒いコートの男”とそれに“撃ち殺される私”を幻視した不可解な誰かの記憶。日本童話文学から次々と現れる“黒いコートの男”の正体と、それを幻視した読者は誰なのか?やがて学園で発生する、“黒いコートの男”による刺傷事件。森鴎外『舞姫』と宮沢賢治『春と修羅』を繋ぐ罪と罰の解読から、文詠と花奏は悲劇の真相へと迫る―。

【著者紹介】
宮田眞砂 : 2020年に、第2回百合文芸小説コンテストに投稿した「天体の回転について」でpixiv賞を受賞。2021年、pixivに投稿していた同名の作品を改稿した『夢の国から目覚めても』(星海社FICTIONS)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 雪紫

    森鴎外「舞姫」、宮沢賢治。解釈は読むひとそれぞれ。その解釈を重ね合わせ突き動かされた人間の謎と罪を本を読んだ人間の感情が読み取れるサイコメトラーと幼馴染のディスレクシア探偵が紐解いていく。様々な悲劇と解釈が心を蝕む。元凶ですら歪んだ面がどんどん出て来るし・・・文詠は自己肯定が低いから花奏の気持ちに(わかりやすいのに)気付かない。ただ、作中の図書館は羨ましいし、花奏や終盤の解釈に救われるものがある。「舞姫」・・・相当やばい話では。

  • 星野流人

    これはとても好みな文学少女ミステリでした。本を読んだ誰かの記憶を読み取るサイコメトラーの文詠と、ディスレクシアにより本を読めない花奏のバディ感がとても良かったです。というか百合。実在の小説をテーマにして謎解きに臨む展開は、やはり楽しいですね。事件についても複数の要素が入り混じっていて、読み解くのはなかなか大変でしたが、読み応えがありました。あちこちに伏線があって、時代を超えて実在の小説までをも巻き込んで謎解きをしていく壮大さには唸らされました。雰囲気的には同じテーマの作品“文学少女”に近いものがあるかも?

  • よっち

    本を読んだ誰かの記憶を読み取る図書部員・文詠。あの日、図書館で絵本に遺された黒いコートの男と撃ち殺される自分を幻視した不可解な誰かの記憶に遭遇する学園ビブリオミステリ。日本童話文学から次々と現れる黒いコートの男の正体、それを幻視した読者は誰なのか。森鴎外『舞姫』と宮沢賢治『春と修羅』の解読から、識字障害の幼馴染・花奏とともに悲劇の真相へと迫る展開で、エピソードが繋がる中で見えてくる様々な人間模様、自己肯定感が低く花奏の思いに気づけない文詠はなかなかもどかしかったですけど、二人で挑む謎解きを堪能できました。

  • 半熟タマゴ

    文学作品から紐解くビブリオ学園ミステリー。『舞姫』『ごんぎつね』など作品の解説や解釈が興味深くて面白かった!本を読むとそれを読んだ人の記憶を読み取る文詠と本が読めないけれど物語が好きな花奏の関係も良かったです。二人の物語をもっと読んでみたいので続きもでますように。前作と比べると百合描写が控えめなのでミステリー、日本文学好きな方にも広く読まれて欲しい作品ですね。特に宮沢賢治の作品が好きな方は是非。『春と修羅』は物語の大きな鍵を握るのでいつかちゃんと読んでみたい。

  • ほたる

    森鷗外『舞姫』から宮沢賢治へと繋がるビブリオミステリ。豊太郎とエリスということで拗れそうな感じはしていたが、やっぱりそういう方向へ持っていくのかと。推理を組み立てていく純粋な部分も良かったが、そこにさらにサイコメトリーの能力が加わることで、より深く推理することができるようになる展開も面白かった。隠された真相に辿り着くためにしっかりと考えを繋ぎ合わせていく、ミステリを楽しむことができる一冊。

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