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ナチ・ドイツと言語 岩波新書 新赤版

宮田光雄

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004307921
ISBN 10 : 4004307929
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2002
Japan

Content Description

ナチ・ドイツにおいて使われた言語とその語り口は、現代もなお利用され、力を持ち続けている。ヒトラー演説やメディア・教育の言語から人々の夢の中の言葉までを検証、そのレトリックと意味を考える。

【著者紹介】
宮田光雄 : 1928年高知県に生まれる。1951年東京大学法学部卒業。1960‐62年西ドイツに留学。専攻、政治学、ヨーロッパ思想史。現在、東北大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • megumiahuru

    ヒトラーがドイツ人心を掌握したのが巧みな「言葉」によることがよく分かる。演説のみならず、映像や教育を通じてあの強烈な自己陶酔に国民を巻き込んでいく様は、恐ろしくも笑えない。けれども、そんなナチスの絶対的支配に対して、なお「言葉」によって抵抗した人々がいたこと、ジョークで笑いのめした大衆があったことは、希望である。ヒトラーに面と向かって勇敢に抗議したニーメラー牧師が、戦後、「あなたはヒトラーに福音を語ったのか」と夢で繰り返し問われたことには心探られた。偽りの「言葉」と真実な「言葉」を見分ける者でありたい。

  • 1.3manen

    昨夜の茂木健一郎先生の授業で、アメリカで実際にあった洗脳授業の恐怖を知った。それで、本書もヒトラーの言説など書かれる。ドイツ語から日本語に彼の訳が出てくるというのは奇異な感じ。摂理の説明は難しさがある。V章は教育の言語。ヴァイマル時代の歴史教科書は、偉人崇拝(91頁)。ヒトラーの歴史教科書は、民族同志の意味を問われている気がする。煽動の言葉(106頁)。秘密警察の監視と検閲(111頁)。考える力を養うための言葉を探るのが理想だが。独裁をつくるには、かくも言葉の力の大きさ、その思考、行動の支配に恐怖が募る。

  • masabi

    【概要】ナチ・ドイツではどのような言葉が語られたのか。演説、映画、教育、ジョーク、夢から迫る。【感想】ヒトラーが自身を現世での栄光を約束する予言者、救世主となぞらえて、聖書的文脈の言葉を多用した。演出上だけでなくラインラント進駐や緒戦の勝利、暗殺の回避など恩寵を受けていると確信する出来事もあった。ナチスドイツを政治宗教として見る著作も挙げられているのでそちらも読みたい。夢は私的領域の縮小を物語り、時に未来を暗示した内容になっていて興味深かった。

  • 寝落ち6段

    ナチ・ドイツはどのような言葉を用いて掌握したのか。ヒトラーの演説の映像を見たことがあるが、とても力強く、身振り手振りで、自信満々で、その映像すらも演出を入れて、何だかすごいと思ってしまう。キリスト教が生活に根付いている人々にとって、聖書の記述がドイツ帝国の繁栄を謳っていると力強く説かれたら、先の大戦で敗北し、失った自信や生活、不満の矛先を敵に向けたくなる。その演説の演出は、本当に巧みに作られていた。しかし、戦況が傾くと空々しいこと限りなしだ。言葉から見ることで、そこに庶民が映し出される興味深い内容だった。

  • CCC

    ナチスが好んで用いた言葉やナチス支配下における民衆のジョーク等を、実例中心で取り上げている。個人的に面白いと感じたのは、ヒトラーが聖書的文脈を利用した言葉を多用していたことと、ナチスを皮肉る民衆のジョーク。ナチスジョークは後世のそれとは違いユーモアが感じられるものが多かった。

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