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扇谷家の不思議な家じまい

実石沙枝子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784575248203
ISBN 10 : 4575248207
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2025
Japan

Content Description

地方都市・天島市で造船業を営む大家・扇谷家で2025年1月、予言者として一族を反映させてきたおばあさまの手帳が見つかった。手帳によると、おばあさまは100歳となる今年死亡するらしい。一族の皆が集まり、家じまいをすることになるのだが、本家の娘・立夏には気になることがあった。それは認知症になって以来、おばあさまが繰り返し「若い頃、桜の木の下に死体を埋めた」と言っていたことと、言葉なき者の声を聞く能力を持つ立夏は、それが本当だと知っていること――。

【著者プロフィール】
第16回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞した『きみが忘れた世界のおわり』で2022年デビュー。著作に『物語を継ぐ者は』『17歳のサリーダ』。

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • pohcho

    千里眼、過去視、予知、言葉なき者の声を聞く力。不思議な能力を持って生まれてくる扇谷家の女たち。予知能力のある祖母・時子は百歳になる今年(2025年)の十一月に自らの死を予言。一族の皆で家じまいをすることになるが・・。「若い頃人を殺して、桜の木の根元に死体を埋めた」という時子の言葉が一つの謎になっているが、謎の顛末よりは1938年から2025年まで、いろんな時代を生きた扇谷家の人たちのそれぞれの物語に魅了される。不思議でせつなくあたたかい読後感。初めて読む作家さんだがとてもよかった。他の作品も読んでみたい。

  • ぼっちゃん

    【2025年静岡書店大賞】予知能力のあるおばあさまは、自分の逝去の日を知らせるとともに、過去に桜の木の下に死体を埋めたと言うが、それらの真実が過去などに溯り明らかになっていく物語。死体の謎を追うミステリーでもホラー的なものでもなく、おばあさまの家系の女性たちは透視、言葉なき者の声を聞ける能力など持った人たちで、その人達が織りなすやさしい家族関係の話であった。【図書館本】

  • ゆのん

    扇谷家の血をひく女性は代々不思議に力を持って生まれてくる。預言者、千里眼、言葉なき者の声を聞く者。所謂超能力だ。幼い時から超能力に憧れる私にはもの凄く羨ましい。だが、本作を読んでいるとそんなに良いものではないらしい。預言者である祖母の予言帳には自身が死ぬ日が書かれていて一族は『家じまい』を決意する。そんな祖母はかつて殺人を犯し死体を桜の木の下に隠したと言うが桜の木を処分しなければならず悩む一族。設定が笑える程にコミカルなのだが、祖母の過去が判るにつれノスタルジックな気持ちになる。初読み作家だが面白かった。

  • reo

    「二〇二五年四月の予言帳」ことの発端は、わたしがうっかり見つけた手紙だった。こんな書き出しから始まる扇谷家の物語。扇谷家の女性は予知能力や千里眼とか何かしら不思議な力があるらしい。こう書けばオカルト系と思われるかも知れないが、そうではなくあくまで軽く明るい。裏庭の桜の古木の根元に殺されて(…らしい)埋められている”地縛霊”も普通に明るい😄実石紗枝子初読み。面白い読後感良し。

  • よっち

    地方都市・天島市で造船業を営んできた扇谷家。予言者として一族を繁栄させてきたおばあさまの手帳が見つかる物語。手帳にはおばあさまは100歳となる今年亡くなることが書かれていて、それを疑わない一族の皆が集まって家じまいをする準備を始める中、本家の娘・立夏が気にするおばあさまが若い頃、桜の木の下に埋めたという死体と、彼女が知っている言葉なき者の声。時代も変わりつつある中で、扇谷家に生まれる女が超能力を持つことを理由に、結婚や生き方を制限された人たちのそれぞれの選択、そして呪いを巡る真相はなかなか面白かったです。

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