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カラー版 絵画で読む「失われた時を求めて」 中公新書

吉川一義

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121027160
ISBN 10 : 4121027167
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

二〇世紀を代表する作家・プルースト(一八七一〜一九二二)。その生涯をかけて執筆した『失われた時を求めて』は著名だが、長大さや難解さから挫折する人も多い。本書は絵画を手がかりにそのエッセンスを紹介。彼が作品で描いた恋愛、同性愛、死、ユダヤ人、スノビズム、時間、芸術論などの主題をわかりやすく案内する。この大作の個人全訳を成し遂げた、プルースト研究の第一人者による最良の入門書。図版六九点収載。

目次 : 第1章 人生と芸術―スワンと「私」の恋(スワンの恋/ 「私」の恋1―ジルベルト ほか)/ 第2章 死と永遠の生(忘却されるアルベルチーヌ/ 永遠の母親 ほか)/ 第3章 肖像と「時間」(シャルリュス男爵とエル・グレコ/ ゲメマント公爵とレンブラント ほか)/ 第4章 情景の描写―暗示された画/隠された画(ホテルの中庭とブリューゲル/ 骨董屋の室内とレンブラント ほか)/ 第5章 芸術の創造―エルスチールの絵画(画風の模索―エルスチールの初期作品/ プルースト文学の到達点―エルスチールの海洋画)

【著者紹介】
吉川一義 : 1948年大阪市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。パリ=ソルボンヌ大学第3課程博士。東京都立大学人文学部教授、京都大学文学部教授などを歴任。京都大学名誉教授。著書:Proust et l’art pictural(Champion.バルベック=カブール・プルースト文学サークル文学賞。日本学士院賞・恩賜賞)ほか。訳書:プルースト『失われた時を求めて』(全14巻、岩波文庫。日仏翻訳文学賞特別賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • パトラッシュ

    著者は『失われた時を求めて』に登場する絵画の研究で学士院賞を受賞しており、訳書でも引用された絵を載せるなど美術と文学が交錯する視点からのプルースト理解は本業といえる。訳注では簡単な説明だけだった絵をカラーで取り上げ、作中の描写に込められた思いや取り上げたテーマなどを解説し、あまりに膨大な迷宮の如き作品世界を案内していく。スワンや話者マルセルの恋愛にベルゴットの死、シャルリュス男爵やブロックら登場人物の容姿などを具体的に思い浮かべたり、ユダヤ人問題や同性愛などについての考えを文字通り絵画から読み解いていく。

  • やいっち

    仕事の合間に楽しんだ。吉川訳『失われた時を求めて』は、リアルタイムで刊行されるごとに読んできた。七年ほど付き合ったことになる。その前に、井上究一郎訳で、一部…全体の三分の一か…を読んだし、鈴木道彦による抄訳版…三(?))のものを読んだ。三度目の正直で、今度こそ全巻読破と、腰を据えて読んできたわけだ。

  • みつ

    著者は岩波文庫版の『失われた時を求めて』の訳者。今年の夏にかけて1年以上かけて読む中では、行替えなしの文が延々と続きページを覆っているところどころで、語り手始め登場人物たちが言及する絵画(他に建築も多数)に頁が割かれると、何かしらほっとしたことを思い出す。この新書は、絵画の方を手がかりに関連部分を中心に読み解く試み。絵のサイズの点では語り手の追体験は難しい面もある(サイズの記載も欲しかった)。語り手(そしてプルースト自身)が当時の書物の写真で知った絵画(当然モノクロ)のいくつかは、カラーで掲載されている。

  • かふ

    『失われた時を求めて』の絵画による描写からプルーストが文学で絵画を描写していくまでの、創造的進化という文学の楽しみなのかと思う。それは、『源氏物語』が和歌の影響を受けながら歌物語として成立するような、絵画物語と言っていいかもしれない。しかし、プルーストの場合は、絵画・音楽・文学と模倣(絵画だと模倣のデッサン)から独自の作品を生み出していく物語が『失われた時を求めて』なのだ。それは絵画を知ることによって物語世界が広がっていく開かれた文学なのである。新書にしてはカラー絵が素晴らしく絵画に興味が持てた。

  • sheemer

    同じ作者の翻訳した「失われた時を求めて」岩波文庫判・全14冊のなかに言及されている絵画について解説した本。同じ著者の「〜への招待」と合わせて副読本的な本。肖像画・風景画などテーマごとにまとめられているので、必ずしもストーリーの順番には沿っていない。引用されている絵の調査はちゃんとしていて、参考になる。これも「〜への招待」と同じく、本体小説を長期的に読み進めながら見ていくので、本書自体はここでいったん読了とする。

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