Books

アファーマティブ・アクション 平等への切り札か、逆差別か 中公新書

南川文里

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121028112
ISBN 10 : 4121028112
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「積極的差別是正措置」と訳されるアファーマティブ・アクション。入試や雇用・昇進に際して人種やジェンダーを考慮する実験的で論争的な取り組みだ。1960年代、公民権運動後のアメリカで構造的な人種差別を解消する取り組みとして導入されたが、「逆差別」「優遇措置」との批判が高まる。21世紀には多様性の推進策として復権するも、連邦最高裁は2023年に違憲判決を下した――。役目を終えたのか。平等のために何をすべきか。アメリカの試行錯誤の歴史をたどり考える。

【著者紹介】
南川文里 : 1973年、愛知県生まれ。2001年、一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。06年、博士(社会学)取得。日本学術振興会特別研究員、神戸市外国語大学准教授、立命館大学教授などを経て、同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専門は、社会学、アメリカ研究(人種エスニシティ論、移民研究、多文化社会論)。著書『未完の多文化主義―アメリカにおける人種、国家、多様性』(2021年、東京大学出版会、第38回大平正芳記念賞、第3回アメリカ学会中原伸之賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • skunk_c

    1964年ジョンソン大統領が公民権法とともに、差別の歴史性に注目して「結果平等」を目指そうとして始まったのがAA。それが昨年トランプにより保守化した連邦最高裁により「廃止」されるまでの歴史を丹念に追いながら、AAが差別の根源的解消という本来の趣旨から離れ、多様性の確保へと変質していったことを明らかにしている。これは民主党対共和党といった単純なものでなく、単なる人種問題でもない。今回の「廃止」がアジア系のAA反対裁判から始まっていることからもそれはうかがえる。論理的にはリバタリアン対リベラルとは言えようが。

  • venturingbeyond

    公民権運動以来のアメリカにおける構造的な人種差別を是正・解消しようとするアファーマティブ・アクションの歴史を概観する一冊。現代までの是正・縮小の過程が示される中で、アメリカ特有の連邦最高裁の違憲審査権の有する機能が、大きな役割を果たしてきたこと、それゆえ、連邦最高裁判事の任官システム(終身制ゆえ、交代時の大統領の人事権が任期を超えて機能する)の帰結が、現在の状況であることがよく分かる。おわりにで、著者が示した本書の意義は、読者にしっかり共有されたのではないだろうか。

  • ドラマチックガス

    アメリカでおこなわれたアファーマティブ・アクションを巡る議論や裁判を丁寧に追った本。アファーマティブ・アクションとは、大学入試などで黒人枠や黒人加点など、マイノリティにプラスになる「差別」を敢えて行うこと。決して読みやすくはないし、「興味深くてページを捲る手が止まらない!!」というタイプでもない。中公新書でも硬派な部類だと思う。でも、とても大切なことが書かれている。アファーマティブ・アクションに関する資料としては重宝しそう。

  • かごむし

    アファーマティブ・アクションは、人種やジェンダーなどで不利な立場にある人々を支援する政策である。アメリカの歴史的な人種不平等に対する積極的介入が必要とされ、制度的人種主義の改善を目指して始まった。しかし、2023年には連邦最高裁判所によって憲法違反と判断された。政策には逆差別との批判もあり、黒人や他のマイノリティからも反発があった。著者は、人種平等のための試行錯誤の歴史とし、今後の視座として歴史的背景、インターセクショナリティ、多様性の再定義を提示している。

  • bapaksejahtera

    小説では黒人/女性は昇進への優遇条件である。これを私は典型的アファーマティブ・アクションとして理解していた。本書では入試制度上の取扱いを中心に論述する。それは兎も角、黒人問題は米国の国家運営上喫緊である事は間違いない。この葛藤の中で米国人が、元来曖昧な「人種」「多様性」を政治的に活用しつつ議論するのはやむを得ない事だ。だが外国人である著者が無批判にこれに乗ずるのは妥当ではない。しかも論調は民主党に偏り信用に欠ける。危惧されるのは製造業の衰退による都市中心部の黒人中心のゲットー化で、この投資こそ喫緊である。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items