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官僚制としての日本陸軍

北岡伸一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480864062
ISBN 10 : 4480864067
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2012
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

近代軍事史を背景に、皇道派や統制派など派閥対立の実態や支那課官僚の動向、宇垣一成の同時代観などの検証を通して、昭和陸軍の興隆と没落を描く。

目次 : 序章 予備的考察/ 第1章 政治と軍事の病理学/ 第2章 支那課官僚の役割/ 補論 満州事変とは何だったのか/ 第3章 陸軍派閥対立(一九三一‐三五)の再検討/ 第4章 宇垣一成の一五年戦争批判

【著者紹介】
北岡伸一 : 1948年、奈良県生まれ。76年、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、法学博士。立教大学教授、東京大学教授を経て、政策研究大学院大学教授。その間、04‐06年には日本政府国連代表部次席大使を務めたほか、日中歴史共同研究委員会日本側座長などを歴任する。著書に『清沢洌―外交評論の運命』(増補版、中公新書、サントリー学芸賞)、『日米関係のリアリズム』(中公叢書、読売論壇賞)、『自民党―政権党の三八年』(中公文庫、吉野作造賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • まると

    独自の系譜をたどった宇垣一成や南次郎の日記などを通じ、陸軍が官僚化して各組織が統合を失い、ばらばらに動くようになって日本を破滅に導いたのだと論じている。対立を深める皇道派、統制派それぞれの思想とキープレイヤーを時系列に捉えることができて得るものがあった。対立で実力者たちが次々と共倒れしていった果てに、消去法的に頭角を現したのが、典型的軍官僚の東条英機だったということなのだろう。宇垣の思想のバランス感覚の良さが際立っており、この人が政権を担っていれば少しは戦争回避の道筋も開けたのではないかと感じなくもない。

  • masabi

    【概要】セクショナリズムを打破するものとして派閥を評価する。論文集。【感想】派閥が政治と軍事、現場と中央の垣根を超えて協働することを可能にした。戦前期に抗争の果てに最終的に脱派閥化を志向し、軍事を優先する軍官僚が台頭する。天皇を無責任の地位に置く分権的な明治憲法の欠陥を補うインフォーマルな制度として、派閥が解釈される。戦間期の派閥は政策の違いによる。他、陸軍政策の支那課の果たした役割について。傍流の部署だっただけに中国満州の重要性をアピールし、現地で機会があれば積極的に行動した。

  • あんころもち

    かつて日露戦争に勝った陸軍は、どうして部分最適解を追求する官僚機構になり敗戦に至ったのか。本書の関心はそこにある。 著者の分析の視角は、派閥の合従連衡の変遷や中国情勢を分析する官僚の処遇など、人間的である。しかも、それぞれについて数多くの例を分析しているのだから恐れ入る。 明治藩閥政治家の時代は、目指す方向が明瞭で政策もそこから説明できる時代であった。しかし、昭和になると、目指す方向がよくわからなくなり、政策もよくわからないものになる。本書は「ああ、だから訳が分からないのか」と納得させてくれる一冊である。

  • 筑紫の國造

    「論文集」であるためにやや統一性はないものの、非常に参考になる帝国陸軍に関する著作。第一章では、当時の国際問題であったイラクのクウェート侵攻とそれに関する国際貢献問題について、陸軍のシビリアンコントロールの歴史を振り返る。安易な「いつか来た道」論を批判する姿勢は極めて現実的な提案。個人的に一番興味深かったのは、第三章の陸軍派閥抗争の部分だ。非公開の「南次郎日記」を基本史料に、軍制改革と派閥抗争について南の視点から考察してゆく。圧巻、と言っていいかも知れない。

  • すのさん

    筆者は陸軍内の派閥を、統一的な意思形成のために必要なものだったとする。実際この本を読むと、派閥の有効性に共感させられる。明治憲法が制度的な意思決定機関を持たず、実権を行使しない天皇がもろもろの機関の助言(輔弼)を受け入れるという体制である点に、政軍関係の特殊性をみる。現場と陸軍中央を統制するためのインフォーマルな力こそが派閥であり、長州閥から宇垣派、皇道派と統制派という派閥が力を握ることで、政策を実行することができたのである。

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