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感情的な日本語 ことばと思考の関係性を探る

加賀野井秀一

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784866240947
ISBN 10 : 4866240946
Format
Books
Publisher
Release Date
February/2024
Japan

Content Description

日本語の中にどっぷりと浸かってきた私たちは、ほとんど意識することもありませんが、これほど変わった言語など、いったい世界のどこにあるというのでしょうか。(‥)
使用する言語が何語であるかによって、その人の感性も知性も、そこに形成される思考もすべてが大きく変わってきます。そうした次第は、第一章からすぐさまお話ししてゆくつもりですが、いずれにしても、言語が私たちにとってどれほど重要なものであり、それに関する知見を深め、それに習熟することがどれほど大切であるのか、このことを本書の全体から感じとっていただければ幸いです。
それについては、昨今の「ChatGPT」など「生成AI」の発達により、やがて各言語間の障壁もなくなり、文章の作成もおまかせできるようになるだろうとバラ色の未来を考える向きもあるようですが、それはとんでもない思い違いというもの。もちろん、こうした新しいツール類にはいろいろと便利な使用法があり、時にAIから表現を学ぶこともあるでしょうが、つまるところ、文章をおまかせにすれば、思考そのものをおまかせすることになり、結局は「自分の頭で考えない」クセをつけることになるでしょう。すでにして自力で「考える」まえにネットで「検索する」ことを身につけてしまった現代人にとって、「おまかせ」は「思考停止」の終着点でしかありません。
さて、そうならないためにも、私たちはまずもって、思考と言語とがどのように関係しているのか、そのあたりのことを明らかにしておかねばなりませんね。では早速、言語について問うことから始めましょう。

 プロローグ「日本語はおもしろい」より

【著者紹介】
加賀野井秀一 : 1950年、高知市生まれ。中央大学文学部仏文科卒業後、同大学大学院・パリ第8大学大学院に学ぶ。中央大学理工学部名誉教授。専攻はフランス現代思想、哲学、言語学、メディア論、日本語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • チョコ

    日本語の成り立ちから、なぜ漢字ひらがなカタカナがあるのか、など、様々な角度から日本語を読み解く!面白かった!カタカナは無限に外国語を取り入れるというのにも納得。主語のない日本語、日本の文化の表れなんだなぁー!『「強制的観察」言葉によって考え方が決まる。』これは大学生の頃、友人と議論したなぁ。エピローグにある詩に、私も忘れていたことを思い出した。遠くを見よ!ですね。

  • yamatoshiuruhashi

    軽妙洒脱な中にしっかりと考察されたご本人の日本語論が見えて、何か物知りになった気分。古事記、日本書紀に始まり万葉集は言うに及ばず、古代の文献から最近のネット記事までを分析し、それを外国語との比較の中に置くことで日本語の共通性と特殊性を際立たせる。内容は立派な研究書だろうが、万人向けの分かりやすさ、若い研究者かと思ったら自分より年上で失礼しました。しかし、これだけの考察を現代の諸問題点と比較しつつできるとは頭はずいぶんお若いのだろう。笑いつつ少し利口になったような気がする本です。

  • 清水勇

    海外で長年仕事で外国人と英語での議論を通して日本語の曖昧さを痛感。この本でその原因が理解できたし、著者のアプローチが面白かった。特に、日本は短歌等の短詩形文学に代表される「高文脈社会:多くを語らずとも豊かな意味を伝えられる社会」であり、だからこそ欧米人が相手の表現の正否・善悪を判断するのに、日本人は単語の使い方で感覚的に相手を評価するという説明は納得。政府が国民の権利をなくす方向で種々の動きを進めている今だからこそ、我々は、著者が力説する「冗長的」でもお互いに議論できる言葉の使い方を考える必要がある。

  • まさQ

    日本語は主語がなく曖昧で察して欲しがり屋。 しかしながら感情に訴えかけ、相手に応じて同じ意味でも言い回しを変えるところもある。 相手に寄り添い、伝わるようにと無意識に使い分けられるのは教育の賜物。自分に一人称ですら、相手によって使い分ける。そしてその時には人格も変わる。 だから言葉は面白い。

  • なかじ

    日本語が論理的ではないという論調に対して、言語の特性というよりは文化的背景に目を向けているのが面白かった。

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