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ISBN 10 : 4389420070
Content Description
イエス生誕の年が西暦元年と定められたほど、キリスト教は西欧世界に、さらに全世界に深く強い影響を与えた。現在世界のキリスト教徒は約二四億、全世界の人口のほぼ三三%を占めると言われる。しかしイエスは特別な人間、他の誰とも質的に隔絶した人間だったのではない。イエスはただの人であり、そしてただの人の生き方をもっとも真実に生き、示した人である。まさにこのゆえに、イエスは世に容れられず、十字架につけられてしまった。この事件は、世の人がどんなにただの人間であることを拒み、特別の人間になろうとしているか、その倒錯の深さを教える。しかしイエスは敗北しなかった。イエスを救世主と信じるひとびとの群が起こり、世界を改革していった。このことは、世界の不幸と虚無と罪悪にもかかわらず、イエスをイエスとして生かした真理の究極の勝利を象徴している。
目次 : 1 イエスの時代を中心とするユダヤ民族の歴史(イエス当時のパレスチナ/ ユダヤ民族の歴史/ ローマのパレスチナ支配/ ユダヤ戦争とその後・むすび)/ 2 研究史・研究の方法(研究の歴史/ 伝承の性質/ 「イエス」叙述の方法―どこにピントを合わせるか/ 奇蹟と奇蹟物語)/ 3 イエスの生涯と思想(イエスの生い立ち/ イエスの思想)/ 4 イエスの死・復活と原始キリスト教の成立(史的イエスから宣教のキリストへ)
【著者紹介】
八木誠一 : 1932(昭和7)年、横浜に生まれる。東京大学卒。同大学院博士課程修了。この間、西ドイツのゲッチンゲン大学に留学。東京工業大学名誉教授。文学博士(九州大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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